朝日文庫
閑人生生―平成雑記帳2007‐2009

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022616586
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

私達は、この世の物事をすっきり言い当てる言葉を、慎重に退けなければならない―。金融破綻、食品の産地偽装、自殺増加、対応が後手後手に回る政府。この国で起こる複雑な悲喜劇を、時に呆れ、絶望しながらも作家・高村薫は見つめ、考え、理性の言葉で書き続けた。「AERA」連載を文庫化。

目次

三年に一度の夏の風物詩
橋崩落で揺らぐ「私のアメリカ」
身体で記憶し続ける、六十二年前の夏
お金という記号
地球は「美しい星」か
敬老の日とはなんだろう
「想定」という幻想
確かな絶望が刺激する
「いい子」とは何か
国連に憧れた子どもの頃〔ほか〕

著者等紹介

高村薫[タカムラカオル]
1953年大阪市生まれ。国際基督教大学教養学部卒。専門商社退社後の90年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞を受賞しデビュー。93年『リヴィエラを撃て』で日本推理作家協会賞(長篇賞)、『マークスの山』で第109回直木賞、98年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2006年『新リア王』で親鸞賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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KAZOO

91
高村さんの時評集です。私が以前かなり気にしていた佐高さんと同じような立ち位置での論評で愛読しています。2007年8月から2009年7月までの2年間に「AERA」に連載されたものです。無党派層とは言いながらもアンチ政権というスタンスでぶれないものがあります。欄外にその時々の出来事が書かれているのが参考になります。私も読みながらストレス発散しています。高村さんの時評はこのあと数冊待ち行列になっています。2023/08/13

マリ

4
自分は色んなことに感情が先になってしまうけれど高村さんは冷静に今を見れているなと感じた。考え、想像することの重要さを痛感する。2012/10/08

ぐうぐう

3
小説家が、時事を取り上げコラムとする場合、評論家が書くコラムとの違いは、そこにどれだけ想像力を込められるかということだろう。同時に、社会に飛び交っている言葉に対して、どれだけ敏感に、そして誠実に向き合えるかということに違いない。例えば、若年層の自殺者が増えているという報道に対し、高村薫は「死」そのものに想いを巡らせる。「死はけっして自分のものではなく、つねに人の死であるに過ぎない。また生物としての人間は、死期の近い人を除けば、自らの死をけっして予想しないとも言われている。」(つづく)2011/12/17

sakwai

3
クールで厳しい著者がこの国の現状に絶望しながらも、それでも我々は何かを期待して投票に行くしかないのだとくりかえし叫ぶ本。国民の絶望が当の政治家に全く伝わらない、この状況はいつまで続くのか。いつか終わるのか。2010/04/11

きょう

2
タイトルから、エッセイ集と思い・・・。高村さん、怒ってます。欄外に掲載当時のニュースが抜粋されていますが、それを忘れてしまっている自分にびっくり。高村さんが怒っておられる対象が、現在の新しい問題かのように思えてまたびっくり。十年一日、ではなく問題はこじれていってるわけで・・・。続、もありますが、読む元気があるかなと。2018/11/25

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