朝日文庫
ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022616517
  • NDC分類 311.3
  • Cコード C0136

内容説明

国家とは何か。民族とは何か。宗教とは何か―。ナショナリズム、ファシズムなどの源流をたどりつつ、イデオロギー的対立がせり出した時代の思想的枠組みから、オウム真理教事件、ライブドア事件など現代社会とのかかわりまで国内外の事象を語り尽くした。待望の文庫化。

目次

国家と貨幣
キリスト教の人間観、イスラム教の人間観
日米欧の精神的土壌
フョードロフの思想とオウム真理教
日本のファシズム前夜
民族とは何か
メディアの形成
病理としてのナショナリズム
ホリエモン事件の真相
国民国家ではない国家とは
官僚による“収奪”
一九三〇年代に何が起きたか
エリートシステムと中産階級
天皇機関説事件と蓑田胸喜その1
天皇機関説事件と蓑田胸喜その2
丸山眞男の思想
丸山眞男の思想その2

著者等紹介

佐藤優[サトウマサル]
1960年生まれ。作家・元外務省主任分析官。同志社大学大学院神学研究科修了。著書に『国家の罠』(新潮社、毎日出版文化賞特別賞)、『自壊する帝国』(新潮社、新潮ドキュメント賞と大宅壮一ノンフィクション賞)など多数

魚住昭[ウオズミアキラ]
1951年生まれ。ジャーナリスト。一橋大学法学部卒業後、共同通信社に入社。司法記者として、東京地検特捜部などを担当。96年からフリーランスに。著書に『野中広務 差別と権力』(講談社、講談社ノンフィクション賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ntahima

32
結構楽しめた。魚住氏が聞き役に徹したことが成功要因であろう。特に1章〈国家と貨幣〉、2章〈キリスト教の人間観イスラム教の人間観〉が興味深かった。但し「クレヨンしんちゃん」は思想書だ、イエスが「ねずみ男」、ウサマ・ビンラディンは「星飛雄馬」、中世キリスト教の円環的時間概念が「サザエさん」と言う喩えは理解と誤解が紙一重の危険な表現のような気もするのだが。どうも「知の怪物」は変化球投法がお好き^^文献解題の内『宗教からよむ「アメリカ」』、『蒲生邸事件』、『武士の家計簿』、『天皇と東大』が面白そう。後書き長過ぎ!2011/10/04

gonta19

28
2010/1/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2013/6/11〜6/18 「知の巨人」と呼ぶにふさわしい佐藤優氏と、ジャーナリスト魚住昭氏の対談本。佐藤氏の単著は時に難解に成りがちであるが、魚住氏との対談形式のお陰で、随分わかりやすくなっている。(と言っても、まだまだ十分難解ではあるが)漠然感じているナショナリズムについて整理できる良書。2013/06/18

りり

14
佐藤さんはいつも冷静だと思う。膨大な知識を元に淡々とナショナリズムについて話す。語るではなく、解説する。新しく開く知識の扉の向こう側は、決して楽しいとか面白いものではないのだが、これからの人生には必要な武器になるはず。また読むべき本が増える。ファシズムには優しさが必要なのだそうだ。優しさという言葉が恐ろしく聞こえる日が来ようとは。2015/03/27

金吾

9
○面白かったです。軍派閥への視点はやや脆弱かなと思いましたが、佐藤さんはやはり膨大な読書で得た知識を上手く整理していると感じます。キリスト教の原罪の部分は非常に面白く、その観点がないイスラム教や神道はなかなか相容れられないとも思いました。2020/09/14

ミッキー・ダック

9
佐藤優の幅広く深い知識に圧倒された。ナショナリズムとファシズムがどのようにして生まれたのか、勉強になった。ファシズムは、経済格差や恐慌不安を解決すべく国家が前面に出て資本主義をコントロールするシステム。国家が社会的弱者に対して、救貧政策による「いたわり」と、社会的強者を暴くことによる「清潔な政府」のイメージ操作に成功すると、弱者は国家と直接つながり、包摂されているという「帰属意識」=ナショナリズムを抱く。国家の実体は官僚であり、官僚はファッショ化しやすいとの指摘は鋭い。官僚とメディアの暴走には要注意。 2012/09/17

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