朝日文庫
昭和の戦争―保阪正康対論集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022616340
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0121

内容説明

日本人の現在を考えるとき、昭和の一連の戦争を避けて通ることはできない。昭和のあの戦争は、日本人の何を変えたのか。そもそも日本はなぜ戦い、なぜ敗れたのか―。昭和史研究の第一人者が第一級の論者12人と語り合い、さまざまな角度から「昭和の戦争」の真実に迫る。

目次

対米戦争 破滅の選択はどこで(半藤一利;保阪正康)
一兵士が見た日中戦争の現場(伊藤桂一;保阪正康)
統帥権が国を滅ぼしたのか(戸部良一;保阪正康)
帝国陸軍軍人の品格を問う(角田房子;保阪正康)
南京と原爆 戦争犯罪とは(秦郁彦;保阪正康)
「特攻」とは何だったのか(森史朗;保阪正康)
戦艦大和の遺訓―歴史は正しく伝わっているか(辺見じゅん;保阪正康)
ヒトラー、チャーチル、昭和天皇(福田和也;保阪正康)
東京裁判とは何か(牛村圭;保阪正康)
近代日本の敗北、昭和天皇の迷い(松本健一;保阪正康)〔ほか〕

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年北海道生まれ。同志社大学文学部社会学科卒。ノンフィクション作家・評論家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。独力で『昭和史講座』の刊行を続け、闇に埋もれた人々の証言や貴重な史料を伝えるなど、一貫した昭和史研究の仕事が高く評価され、第52回菊池寛賞を受賞。また医学・医療、社会事象、教育をテーマにした著作も多い

半藤一利[ハンドウカズトシ]
1930年東京都生まれ。ジャーナリスト、作家。文藝春秋に入社、「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役、常任顧問を歴任

伊藤桂一[イトウケイイチ]
1917年三重県生まれ。作家、詩人。85年、紫綬褒章受章

戸部良一[トベリョウイチ]
1948年宮城県生まれ。国際日本文化研究センター教授。日本近現代史

角田房子[ツノダフサコ]
1914年東京都生まれ。ノンフィクション作家

秦郁彦[ハタイクヒコ]
1932年山口県生まれ。現代史家、日本大学講師。大蔵省勤務、千葉大学教授、日本大学教授などを経て、現職

森史朗[モリシロウ]
1941年大阪府生まれ。作家。文藝春秋に入社、「文藝春秋」編集長、取締役編集担当などを歴任

辺見じゅん[ヘンミジュン]
1939年富山県生まれ。作家、歌人

福田和也[フクダカズヤ]
1960年東京都生まれ。文芸評論家、慶應義塾大学教授

牛村圭[ウシムラケイ]
1959年石川県生まれ。国際日本文化研究センター教授。比較文学、比較文化論

松本健一[マツモトケンイチ]
1946年群馬県生まれ。評論家、麗澤大学大学院教授。日本近代精神史、アジア文化論

原武史[ハラタケシ]
1962年東京都生まれ。明治学院大学教授。日本政治思想史。国立国会図書館勤務、日本経済新聞記者を経て、研究者となる

渡辺恒雄[ワタナベツネオ]
1926年東京都生まれ。読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆。読売新聞社に入社後、ワシントン支局長、政治部長、論説委員長、社長・主筆などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

A.T

23
昭和史を語り継ぐ会主催、ノンフィクション執筆を通じて昭和史研究が評価されている社会学者の保坂正康さんと、多彩なゲストとの対論集。平成19年にまとめられたこの本は、今読み返すとほぼ昭和に掘りおこされ語り尽くされてきたテーマのまとめ。辺見じゅん対論「戦艦大和の遺訓ー歴史は正しく伝わっているか」の映画、文学などのフィクション作品のわきまえや線引き。辺見さんは角川春樹の姉であり、映画「男たちの大和」の制作者としての立場で語っていました。映画制作当時は小泉首相時代。能天気さを憂える。(続く)2021/08/10

高橋 橘苑

10
12人の対談の中で、松本健一との「近代日本の敗北、昭和天皇の迷い」が特に良い。近年、周辺国との歴史問題で囂しい中、ネットを中心に日本国礼賛の声が高まっているのは、今迄の自虐史観の反動だけでは無くて、屈折した被害者意識の賜物ではないだろうか。野党総崩れの中、中国や韓国が野党的役割をする如き世相にあって、今ほど日本人の国際的な知的レベルを問われている時代は無い。怨霊を祓い清めるという思想は、外国人には解りにくい日本人的な発想かもしれないが、恨まず悪縁を残さないで後の世代に引き継ぐ知性を継承しなければならない。2013/11/19

ミーサ

5
対談相手は存じ上げない方も多かったのだが、これを機会に著書を読んでみたいと思った。私はまだこの戦争に対する冷静な判断を下すことなどとても出来ないが、何人もの知識人の考え方を知るのにとても役立った本だった。2016/06/18

みっちゃんondrums

4
対談ということで、とてもわかりやすかった。勉強になったのひと言。皆、公正で冷静に評価しようとする態度がうかがえる。最近ようやく近現代史を知りたくなってきたが、感情的になりたくないので、このような本はありがたい。ナベツネ氏の別の面が見えて、印象が変わった。2012/04/18

AnmitsuK (うろ覚えムーミン)

3
昭和史の第一人者:保阪正康が、同じく昭和史に縁の深い識者12人と対談。どの章も、「へェーっ、そんなことが!」と知的好奇心を刺激する記述が満載で、実に有意義な読書経験になった。特に秦郁彦教授の、「戦争は全ての文明人を蛮族にしてしまう面があるのです」(from第5章「南京と原爆:戦争犯罪とは」)という指摘が、強く印象に残る……。2013/09/19

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