朝日文庫
老いる準備―介護することされること

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022615992
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0195

出版社内容情報

大ベストセラー『おひとりさまの老後』の著者が、自らの老いと向き合い、老後や介護、自立、ケアワーク、家族について、気負わず、わかりやすく語る。家族による介護は本当に幸せか、介護保険で何が変わったか、団塊世代はどのように老いるのか、人生の秋を味わうためにどんな準備や心構えが必要か、などをふだん着の言葉でつづった一冊。これさえ読めば、もう「老い」は怖くない!

内容説明

『おひとりさまの老後』の背景となった、著者の老いに向かう姿勢や介護保険以降の研究成果が、話しことばでわかりやすく語られる。向老学、介護、市民事業体、ニューシルバーの登場など、なるほどとうなずくデータと分析が満載。ベストセラーを生んだ理由が納得できるおとくな一冊。

目次

第1章 向老学の時代へ
第2章 介護と家族(介護とジェンダー;「よい嫁意識」がさせる「意地」介護―意地を通すなら、契約を;超家族)
第3章 介護保険が社会を変える(介護保険は家族革命だった;「選択縁」のコミュニティ;官・民・協の棲み分け;自治体の経営改革、外部からの人材登用を;ケアの脱私事化へ)
第4章 市民事業の可能性(福祉ワーカーズ・コレクティブの未来;市民事業の可能性)
第5章 ニューシルバーが老いを変える(ニューシルバーの登場;ああ、生きててよかった)

著者等紹介

上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年富山県生まれ。社会学者。京都大学大学院社会学博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

18
学陽書房版を読了。2005年刊。老いるとは、昨日できていたことが明日できなくなることだ、と規定した上で、介護をめぐる社会的現実を考察した研究エッセイである。アクティブシニア論に疑義を唱えるのは、老年期の弱さを否定し、介護の負担を減らそうという社会の目論みに問題があるということだろうか。 介護保険は家族主義介護の問題を払拭し、介護は社会で担う問題という改革を起こしたと評価されているが、この点は祖父母のことを考えると納得がいく。全般的にはエッセイなので読みやすかった。2023/12/10

ユウティ

5
エッセイかと思いきや、講演やらなんやら色いろと雑多なものをまとめた本だったらしい。実際に介護をすることや、されること、具体的な老いる準備はあまり書いていなかった。なんて言うんだろう、遠くの外堀について論じる感じだろうか。わたしなんぞは何事も近場しか見ていないけれども、大きく眺めることも必要なんだろうなあ。介護保険の成り立ちや周辺のことは初めて読んだので勉強になった。上野千鶴子さんは初読みだったのだが、いまいち掴めなかったので他も読んでみよう。2021/06/18

3
エッセイ感覚で読みました。介護に限らず、人間関係、仕事に対するスタンスなど、いろいろ考えさせられました。ま、考えても40年以上生きてきてすぐに変わるもんじゃないけどね。2014/07/16

Gen Kato

2
「かわいいおばあちゃんになりたい」というのは、女が依存的な存在として生き抜いていくための生存戦略というべきものであった」……ううむ、鋭すぎる。ほかにも名文だらけ。「向老学の目指すところは(中略)年寄りにも能力がある、したがって価値がある、と主張する代わりに、能力がなくても、だれからも貶められずに生きていける社会をつくることだ」「生れてから死ぬまでのあいだ、他人に依存せずにはわたしたちはかたときも生きていけない。それを自覚しないでいる人たちだけが、自分は自立しているとカン違いしているのだ」2014/09/05

Masataka Sakai

1
社会や家族のあり方が変わって老後のあり方が変わってきた。昔の価値観から離れるべきですな2018/07/20

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