朝日文庫
マグマ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022615657
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

外資系ファンドの野上妙子は、地熱発電を運営する会社の再建を任される。地熱発電に命をかける老研究者、それを政争に利用する政治家、欧米からの執拗な圧力など、さまざまな思惑が交錯する中で、地熱ビジネスは成功するのか―ドラマ「ハゲタカ」の著者が描く大型経済情報小説。

著者等紹介

真山仁[マヤマジン]
1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒。新聞社勤務を経て、89年独立。2003年『連鎖破綻ダブルギアリング』(ダイヤモンド社)を共著・香住究名義で発表。04年『ハゲタカ上・下』で真山仁としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rena

30
東日本の震災が起きて原発の危うさが問われる前の作品だが、面白かった。作者は元読売新聞の記者だけあり地熱発電が日本で遅々として進まない実情が単に国立公園内にあるとか温泉組合の反対だけではない(エコ検定のテキストにはこの2つが理由 と記載があったがそれに加えて電力会社や政治家、国際政治など複雑な利権絡みのありそうこの本で示唆を得た気がした)らしい。ストーリーもハラハラドキドキ登場人物も一筋縄でいかない面々が出てきて一機に読了。作者がまたこのテーマで本を書いたら現状はどうなるのだろう。相当取材に時間かけたのだろ2017/01/08

James Hayashi

24
初読み作家の経済関係の小説だが読みやすくわかり易い。書かれたのは2006年らしいが、大震災後のエネルギー事情を見越してる展開。地熱発電はクリーンでコスト要らずで好いイメージを持っていたが、ネガティヴな面(開発期間、小規模、国立公園内など)と原発の有利性を見せられると、一概に原発廃止は言い難い。幸いにしてシェールガスの開発などで石油価格はまずまず。有余のある今こそ開発を進めてほしい地熱エネルギー。ストーリーは地味であったが、外資系ファンドの女性が主人公と花を持たせ、読み応えもあった。2015/07/04

shirou

20
地熱発電というマイナな話題ですが、かなり専門的な部分まで掘り下げられています。 その辺りは、さすがだな・・・と。 原発問題、電力自由化、なかなか情報が下りて来ませんが、今読んでも良い作品デス。 また、ドラマとしても大変面白かったデス。 ハゲタカ・・・読み返そうかな2015/08/29

こちょこちょ

14
"ハゲタカ"のようなドキドキ感やスケールの大きさを感じることができなかったが、それが逆にこれから成長していく妙子にちょうど良かったのかもしれない。毎回真山さんには自分の知らない分野を教えてもらい、今回は地熱発電という分野。今のエネルギー事情を考えるともっと評価されてもいい発電形式だろうと思えるも、普及しづらい理由にも踏み込んだ記述、そして政界の思惑などほとんどノンフィクションじゃないかと思わされる。2016/05/20

たかちー

11
地熱発電の話。話の裏に「原発をとめろ」という外圧があるけど、今年の原発問題を考えるとなかなか考えさせられる。1年前だったら、有り得ないと思ってただろうな…。事故隠しなど原発関連の内容は、今年の状況を予見していたようだった。地熱発電を取り巻く問題(国立公園の法律や行政、温泉街、各種団体、そして原発)が分かりやすくまとめられていたと思う。妙子が所属する外資ファンドの法令遵守といいつつ、グレーすぎる遣り口もハゲタカ同様楽しめた。御室夫妻がお互いを思いやり、かつ秘密(?)を抱えているところも印象深かった。2011/12/27

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