内容説明
私は不良少年だった―。15歳で留学したアメリカで新しい哲学運動と出会い、逮捕され交換船で帰国。バタビアで戦争を体験する。戦後の「思想の科学」「べ平連」での活動、読書の魅力、同時代の知識人など、豊富な話題を自在に語る。日本を代表する哲学者の対話による思索的な自伝。
目次
1 アメリカ哲学と出会う
2 かるたの思想
3 記号のプラグマティズム
4 転向について
5 意志のあるところ
6 アナキズムは何の方法か
7 伝記のもつ意味
8 外からのまなざし
9 編集の役割
10 雑誌『思想の科学』の終わりとはじまり
著者等紹介
鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922年東京生まれ。哲学者。15歳で渡米、ハーヴァード大学でプラグマティズムを学ぶ。アナキスト容疑で逮捕されたが、留置場で論文を書きあげ卒業。交換船で帰国、海軍バタビア在勤武官府に軍属として勤務。戦後、渡辺慧、都留重人、丸山眞男、武谷三男、武田清子、鶴見和子と『思想の科学』を創刊。アメリカ哲学の紹介や大衆文化研究などのサークル活動を行う。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭をとる。60年安保改定に反対、市民グループ「声なき声の会」をつくる。65年、べ平連に参加。アメリカの脱走兵を支援する運動に加わる。70年、警官隊導入に反対して同志社大学教授を辞任。著書に『戦時期日本の精神史』(岩波書店、大佛次郎賞)、『夢野久作』(リブロポート、日本推理作家協会賞)など。94年度朝日賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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