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朝日文庫
敗戦前後の日本人 (新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 316p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022615367
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0121

内容説明

その日、空襲警報が止んだ。敗戦を境に5歳の少年が見た日常風景の逆転は、今も著者の地肌に染みついている。8・15を挟んで日本はどう変わったか、戦後民主主義の視座から深く検証する。敗戦から60年余、当時を皮膚感覚で知る人が減りつつある現在を危惧し、新たに書き下ろした補筆も収録。

目次

ひとつの言葉、ふたつの意思―最高戦争指導会議
戦いの内容はどういうものだったか―特攻隊と沖縄戦
「血の一滴まで戦え」の欺瞞―本土決戦
日本国への無条件降伏勧告―ポツダム宣言
「ヒロシマからナガサキ」までの75時間―原子爆弾
無責任体系のからくり―大本営発表
はたして誰が泣いたのだろうか―八月十五日
一億総ザンゲというカタルシス―東久迩内閣
ミズーリ号に翻った星条旗―占領政治
終わりと始まりの儀式―天皇とマッカーサーの会見
戦争の責任はどうとられたか―戦時指導者
解体への序奏曲第一小節―戦後民主主義
庶民は何を見てしまったのか―戦争の総決算

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年北海道生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。ノンフィクション作家・評論家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。独力で『昭和史講座』の刊行を続け、闇に埋もれた人々の証言や貴重な史料を伝えるなど、一貫した昭和史研究の仕事が高く評価され、第52回菊池寛賞を受賞。また、医学・医療、社会事象、教育をテーマにした著作も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フンフン

5
敗戦前後で日本人がどう変わったか、また変わらなかったか、を描く。日本人の思想が、何かのきっかけで180度転向するのはしばしばみられる現象である。幕末には攘夷、攘夷と騒ぎ立てたが、維新が成功したら、たちまち開国進取となった。終戦前後も同じ。大東亜の規模まで拡大すれば鎖国攘夷できると空想したのが敗れて開国進取に転じた。こういう転向現象は、日本人の思想が変わったととらえるべきではなく、むしろ無思想の証明ととらえるべきであろう。2020/08/12

kokada_jnet

3
元版は85年の「戦後40年」に刊行。新版あとがきに「巣鴨プリズンでの東条が、いかに真摯でかつ、厚遇されていたかの」の偽証言を。有力新聞記者にふきこもうとした謀略の話題あり。2013/05/26

yuji

2
沖縄戦が本土決戦の実験だったというのが印象的だ。民間人を巻き込んだ総力戦は軍人が民間人を盾にして生き延びようとした現象を生んでいる。あのまま本土決戦をしていたら日本人は滅んでいた。原爆が投下された時も開発の成功を信じたくない精神が長崎の悲劇につながった。しかし、軍人だけを避難できない当時の民間人の考え方、教育が前提にあった。8/15の政治家の涙が宗教の信者に等しいというのを読んでオウムを想起させた。戦後民主主義教育を受けた人には想像ができないが、民主主義を無血紙一枚で手に入れたことは感謝すべきと感じた。2014/08/18

344

2
戦争指導者たちの稚拙さをこちらでもつくづく感じた。そんな指導者が出るのを許してしまった構造はなんなのだろう? 正反対の考えを持った特攻隊員の話には言葉もない。国民も心から支持してたわけではなく、厭戦感が広がっていたらしい。終戦の日の日記の中には「次の日の農作業の手順がたんたんとかかれているものさえある」。2014/08/09

AnmitsuK (うろ覚えムーミン)

1
昭和20年に日本が迎えた「敗戦」の前後にスポットを集中させ、そこに潜んだ近代日本の政治的・精神的な歪みを厳しく糺す書。特に、敗戦を迎えた後の事柄に関しては、著者自らの人生体験と絡ませて書かれており、当時の時世を皮膚感覚で追体験できた。新版刊行に際して追加された補筆では、具体的な事例とともに、昨今巷に溢れる、ネトウヨ的な昭和史のねじ曲げを、強く批判している。2015/04/23

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