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朝日文庫
17歳の殺人者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022613868
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C0136

内容説明

殺伐たる風景の街を徘徊する、恐るべき少年たち。彼らの理由なき暴力がもたらした被害者遺族の悲しみ、怒り、絶望、そして苦闘―少年犯罪の深淵を見つめ続けるノンフィクションライターが丹念な取材を通じて紡ぐ、“17歳”の苛烈なルポルタージュ。

目次

序章 一九八八年一一月の「あの日」へ―まえがきにかえて
第1章 女子高校生コンクリート詰め殺人事件
第2章 女子高校生コンクリート詰め殺人事件取材ノート
第3章 「僕は十七才で死んだ」
第4章 「息子は一方的に殺された」
第5章 佐賀バスジャック殺人事件
終章 「理由なき暴力」と「殺された側」―あとがきにかえて

著者等紹介

藤井誠二[フジイセイジ]
1965年名古屋市生まれ。ノンフィクションライター。高校在学中に管理主義教育を告発する社会運動に参加し、卒業と同時に出版されたその記録が、地元で大きな反響を呼ぶ。綿密な取材と調査をもとに社会矛盾をえぐるルポルタージュを手がけている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

emi

3
残忍さ、罪の重さを考えると分からなくなる事がある。少年法と少年犯罪、死刑と犯罪と様々な事を混ぜ、正しい正しくないという事で判断するには限界がある。まして一つの犯罪を見れば、被害者(家族)、加害者の心情があるとも思う。高度経済成長を経て成熟社会になり、戦後の法律・教育システムなども適宜改善されるべきなのを論議もなされず政策や利権に帳尻を合わせるだけで、社会に合わなくなってきているのだと思う。誰もが苛立ち集団リンチは形を変えメディア、ネットでも行われている。この本はルポというより、そんな事を考える本だと思う。2012/04/18

Ikuto Nagura

1
少年犯罪に対する、私たち大人の責任とは何か考えさせられる。第一章にある女子高生コンクリ事件の加害少年たちの思考や行動は、彼らが年相応に幼稚で短絡的で、理性的な判断ができないことを表していた。そんな彼らへの教育は、中学卒業や高校中退をもって放棄され、手を差し伸べる大人は低賃金重労働を課す雇い主か暴力団員…。大半の大人たちは、彼らに無関心か、社会からの排除しか考えない。唯一彼らを教育できそうな機関は少年院なんだろう。であれば、教育や社会との繋がりを蔑ろにした少年犯罪の厳罰化は、社会リスク低減に逆効果だと思う。2015/01/16

チープフェイス

0
事件にかかわった人たちの心情が現実味を帯びて伝わってきた。自分の育ってきた環境ではありえないことなので、想像しがたかったがこれが現実なんだと考えさせられた。2010/01/02

せしる

0
藤井誠二さんの著書が読みたく図書館でかりる。17歳が起こした凶悪事件4件のルポ。3分の2は綾瀬女子高生コンクリート事件にさかれている。発行は今から20年前のもの。コンクリート事件は別の本でも読んだし、とにかく惨虐であまり気が進まなかったが、読んでみて改めて少年法の壁に驚いた。更生の名のもと被害者側が置き去りにされている。加害者の再犯率をみると、更生の難しさを感じる。藤井さん初期の著書だと思うが、人間味のある筆致に変わらないものを感じた。2022/06/10

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