内容説明
著者がデビューから十年をかけて到達した「データベース型世界」の概念を予見させる思考の軌跡―現代思想、批評、サブカルチャーを横断しながら、ポストモダン社会の実像に迫る。文庫化に際しては、単行本未収録の論考を加え、新たに改訂版として世に問う、画期的な評論集。
目次
1 状況論(棲み分ける批評(1999)
ポストモダン再考―棲み分ける批評2(2000)
郵便的不安たち―『存在論的、郵便的』からより遠くへ(1998/1999))
2 批評(ソルジェニーツィン試論―確率の手触り(1991/1993)
写生文的認識と恋愛(1993/1994)
精神分析の世紀、情報機械の世紀―ベンヤミンから「無意識機械」へ(1996)
通信傍受法と想像力の問題(1999))
3 サブカルチャー(庵野秀明はいかにして八〇年代日本アニメを終わらせたか(1996)
アニメ的なもの、アニメ的でないもの(1996)
『エヴァ』にはまるのはなぜ?(1996)
オタクから遠く離れて(1997)
『マトリックス』と人間不在の荒野(1999/2000)
『ナデシコ』の二つの顔(2000)
探偵小説の世紀、SFの世紀(2001)
ハムレットとしてのSF―SFと哲学(2001))
4 エッセイ・書評(暗号と言霊(1997)
リキテンスタイン/エクリチュール(1998) ほか)
著者等紹介
東浩紀[アズマヒロキ]
1971年東京都生まれ。東京大学教養学科卒業。同大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学術博士。現在、慶応義塾大学非常勤講師。専攻は哲学および表象文化論。99年、『存在論的、郵便的ジャック・デリダについて』でサントリー学芸賞を受賞
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