内容説明
本多氏は本州に生れ本州に育ち、突然北海道に来て、フレッシュな感覚でまず風物の異様に眼を投じ、身につけた生物に関する専門的知識から一々これを正確に取材して記録し、数々の興味ある事実を披瀝した。この報告は…人類発展の歴史の一面を語る興味ある資料ともなった。
目次
ヒグマ
エゾテン
カワウソ
ミンク
エゾタヌキ
キタキツネ
エゾオオカミ
北海道犬
カラフト犬
エゾヤチネズミ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
churu
2
自分のバイブルというべき名著『北海道探検記』に出会って以来。本多勝一の本の大半を読み漁ってきた。本書も若き本多記者が北海道赴任時の昭和三十年代に連載した記事で『北海道探検記』の系譜に連なる一冊。ずっと探し回っていたこの本が朝日文庫から出た時の嬉しさは忘れ難い。正直小さくまとまりすぎて最初は少し物足りなさを感じたけど、今読み返すと短いページに凝縮した興味深い逸話の取材密度と構成に感嘆する。ヒグマから糠蚊やシシャモまで取り上げる対象は多彩で、内容も古びていない。人間との接点という視点で書かれた社会派の動物記。