朝日文庫<br> 西蔵放浪 〈下〉

朝日文庫
西蔵放浪 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 229p
  • 商品コード 9784022603180
  • NDC分類 292.29
  • Cコード C0126

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

165
著者が上巻の序に書いているように、我々はこの世界で同じ時間に存在しているはずなのだが、ほんとうにそうなのだろうか。この下巻で、ますますその思いを強くする。この巻では主に西蔵に生きる人々の生活が描かれるのだが、そこに流れる時間は明らかに我々のそれとは異質だ。果てしないまでの荒涼とした地にわずかに残る緑地で、ひたすらに新緑を待ち続ける人々。彼らは零下30度の寒風が吹き荒ぶ時に、瓦礫の中でひたすらに「オム・マ・ニ・ペ・メ・フーム」(地獄…極楽)と唱え続けるのである。それは、もはや価値の転倒では説明不能な世界だ。2015/02/15

まっつぁん

2
ほぼ30年ぶりの「西蔵放浪」。「宗教とは?」「信仰とは?」を考えさせる。存在の不確かな来世の幸福ため、現世のすべてを捧げる暮らしをしているの人々がいる。『懈慢な日々を送っている正常な連中よりも、それなりの効力意識に覚めている痴呆者の方が、よりこの世の生命存在としては優位者である』この意味を暫く考察しよう。2018/05/30

カネコ

1
2011/09/19

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