出版社内容情報
「一番信頼でき、安心できるのは自分で考えること」。2008年ノーベル化学賞を受賞した下村博士による初の日本語の本。スピーチ、シンポジウムでの発言を中心に、科学者たちとの電話座談会等を収録する。オワンクラゲ、ウミホタルなど光る生物の仕組みをわかりやすく解説。オワンクラゲから採取された発光タンパク質「イクオリン」「GFP」を利用した研究が、現在の医学・生命科学では欠かせない存在となっている等、業績との関連も伝える。図版多数。
内容説明
「私のGFPの発見は天の導きによるものであり、天は私を使って人類にGFPを与えたのではないかと思うことがあります」。1961年、オワンクラゲの発光物質を研究していた著者が発見した緑色蛍光タンパク質GFPは、いまや医学・生命科学の分野に欠かせない物質として応用されている。興味あることに遭遇したら、絶対あきらめずに成功するまで頑張ろう、どんなに難しいことでも努力すれば何とかなる―ノーベル化学賞受賞となった原点を語り、若い世代を勇気づける著者初の日本語による本。
目次
1 天の導くままに―発光生物と半世紀
2 できることは全部やった
3 実験デモンストレーション(近江谷克裕)
4 光の魅力、探究する喜び
二〇〇六年度「朝日賞」での受賞スピーチ(下村脩)
電話座談会の司会を務めて(高橋真理子)
ストックホルムの下村さん(行方史郎)
著者等紹介
下村脩[シモムラオサム]
1928年京都府生まれ。1951年長崎医科大学附属薬学専門部卒業。1955年名古屋大学に国内留学(平田義正研究室)、1958年長崎大学薬学部助手、1960年理学博士(名古屋大学)、1960年米プリンストン大学研究員(フルブライト奨学生)、1963年名古屋大学助教授。1965年米プリンストン大学上席研究員、1981年米ボストン大学客員教授、1982年米ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員。2001年同研究所退職。2008年同研究所特別上席研究員。自宅の研究室で研究活動を続ける。2006年度朝日賞、2008年ノーベル化学賞、文化勲章を受ける。米マサチューセッツ州在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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