内容説明
今やメディアの存在と影響を無視しては語れないナショナリズム。2005年春、中国各地で大規模なデモが発生。「愛国無罪」を叫ぶ学生や市民の姿、日本製品不買の呼びかけ、日本の大使館や領事館への投石などが、「反日」として様々なメディアを通じて伝えられた。社会が共有した「認識」は、従来のマスコミや、インターネットなどの新たなメディアを通じてさらに活性化。「歴史教科書」「釣魚島」「東シナ海ガス田開発」…。両国のナショナリズムは急速に高まった。「日中摩擦」を題材に、新旧のメディアがナショナリズムの生成・変容にどんな影響を与え、役割を演じたかを詳細かつダイナミックに分析する。これまで紹介されたことのない、中国内のネットで飛び交った言説の具体例も収録。
目次
第1章 メディア・ナショナリズムを考える
第2章 日本の新聞は「反日」デモをどう伝えたか
第3章 中国のインターネット言論と「反日」デモ
第4章 中国の報道統制
第5章 香港の「反日」デモ報道
第6章 中国における国民ナショナリズムの登場
第7章 米英メディアが見た日中摩擦
補章 日中摩擦と中国の民間ポータルサイト
著者等紹介
大石裕[オオイシユタカ]
1956年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。関西大学などを経て、慶應義塾大学法学部教授(政治コミュニケーション論)
山本信人[ヤマモトノブト]
1963年生まれ。米・コーネル大学大学院政治学研究科博士課程修了。慶應義塾大学法学部教授(現代東南アジア論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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