朝日選書
歴史の話

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  • サイズ B6判/ページ数 180p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022598516
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0321

内容説明

「『日本』という国号が決まる前…には『日本』も『日本人』も日本列島には存在していない。日本国は明らかに東北と南九州を侵略・征服して、100年をかけてようやく本州・四国・九州をほぼ支配下に入れたわけですね。そこから、出発して考えていく必要がある」(網野)。「アイヌと琉球と2つの王朝があって、京都の王朝を入れて3つの王朝が並行して日本列島の中にあった…そこを日本の歴史像の中に組み入れていかないと、『君が代』も『日の丸』もとらえ切れないし…人類の中の日本人という方向には向かない」(鶴見)―歴史家・網野善彦と哲学者・鶴見俊輔が、それぞれのライフヒストリーを織り交ぜながら、戦後―高度成長期―現在をふりかえり、縦横に語り合う。

目次

1 歴史を多元的にみる(国民の生活から離れる知識人たち;「烏合の衆」が秘める思想的な強さ;わからない問題がたくさんある;「お前は何民族だ?」と聞かれたら;ずっと秀才だった人間の思い込み ほか)
2 歴史を読みなおす(「意味の重層性」を欠く日本の学術語;歴史的変化の中で揺れる文字の面白さ;山中共古と『東京人類学雑誌』;いま崩れようとしている「百姓は農民」像;襖の下張りに潜んでいる事実 ほか)

著者等紹介

網野善彦[アミノヨシヒコ]
歴史家。専門分野は日本中世史、日本海民史。1928年生まれ。東京大学国史学科卒業。2004年2月死去

鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
哲学者。1922年生まれ。ハーバード大学哲学科卒業。15歳で渡米し、1942年捕虜交換船で帰国。1946年『思想の科学』創刊に参加
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

24
タイトルもそうだがあまりにも大ざっぱで掴みどころのない対談。歴史家と哲学者では噛み合うところが異なっているので、よく理解できなかった。2020/01/01

Syo

14
歴史の話。 楽しそう〜。 んがっ。 難しい。 古い。 気がする。 う〜む。2017/02/27

みっちゃんondrums

10
永年の積ん読本、ようやく。網野善彦氏の歴史学と鶴見俊輔氏の思想がダイジェストでわかるという対談。鶴見氏は何度も語る、「団結には恐ろしさがある」「人間がバラバラであることの重大性を悟らなければ、思索力は上がらない」。教科書で習う歴史や一般に流布している歴史像をあやしんで、とらえ直すということ。決めつけないこと。2015/08/24

無識者

10
2人の思想がよく分かる。小田実なんかだと組織が大きくなると「よし!」とか思うわけなんだけれど、鶴見さんは組織が大きくなりすぎると逆に「大丈夫かな?」と考える。サルトルのラッセル法廷の開廷の宣言の「我々は無力であることが独立の保障、政府・党派の代表でもないわれわれは命令を受け取れない。ただ良心に基づいて事実を検証するでしょう」という言葉を思い出す。2015/02/06

nekonekoaki

3
「無所有の感覚」「言葉の意味の重層性」「選言命題」「内臓の記憶」等々、普段遣いの言葉には現れてこないあれやこれやは、なんとなくわかったようなふりをして読み続けるに限ります。「百性=農民」ではないという網野善彦さんの主張は本書でも繰り返し述べられています。日本人の生活に根ざした歴史事実の多くが切り捨てられてしまった。いま私たちが知っているつもりの歴史は、ごくごく一面のものに過ぎないことを知らしめてくれています。2004年8月5日第三刷発行(同年5月25日第一刷発行)。原書は1994年5月に刊行。2023/04/02

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