内容説明
「『日本』という国号が決まる前…には『日本』も『日本人』も日本列島には存在していない。日本国は明らかに東北と南九州を侵略・征服して、100年をかけてようやく本州・四国・九州をほぼ支配下に入れたわけですね。そこから、出発して考えていく必要がある」(網野)。「アイヌと琉球と2つの王朝があって、京都の王朝を入れて3つの王朝が並行して日本列島の中にあった…そこを日本の歴史像の中に組み入れていかないと、『君が代』も『日の丸』もとらえ切れないし…人類の中の日本人という方向には向かない」(鶴見)―歴史家・網野善彦と哲学者・鶴見俊輔が、それぞれのライフヒストリーを織り交ぜながら、戦後―高度成長期―現在をふりかえり、縦横に語り合う。
目次
1 歴史を多元的にみる(国民の生活から離れる知識人たち;「烏合の衆」が秘める思想的な強さ;わからない問題がたくさんある;「お前は何民族だ?」と聞かれたら;ずっと秀才だった人間の思い込み ほか)
2 歴史を読みなおす(「意味の重層性」を欠く日本の学術語;歴史的変化の中で揺れる文字の面白さ;山中共古と『東京人類学雑誌』;いま崩れようとしている「百姓は農民」像;襖の下張りに潜んでいる事実 ほか)
著者等紹介
網野善彦[アミノヨシヒコ]
歴史家。専門分野は日本中世史、日本海民史。1928年生まれ。東京大学国史学科卒業。2004年2月死去
鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
哲学者。1922年生まれ。ハーバード大学哲学科卒業。15歳で渡米し、1942年捕虜交換船で帰国。1946年『思想の科学』創刊に参加
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感想・レビュー
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James Hayashi
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