朝日選書<br> 衣服は肉体になにを与えたか―現代モードの社会学

朝日選書
衣服は肉体になにを与えたか―現代モードの社会学

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022597298
  • NDC分類 383.1
  • Cコード C0330

内容説明

本書では、衣服と身体との関係を、あるときは歴史的、文明学的な角度から、また、あるときは社会学的な、あるいは世相論的な角度から、という具合に、いわばマクロとミクロの両方から考えてみた。衣服の構造と人間の欲望の諸相、肉体の解放への闘い、当然ながらファッションやデザイナーの仕事、制服や化粧品のこと、さらには性・セクシュアリティ、ジェンダーのこと、そして人間のもつ社会との交流回路である五感をめぐる諸問題をも扱うべく努めた。

目次

1 「美しい身体」という思想
2 われわれは「だれもがみな美しい」社会に耐えられるか
3 隠すことと禁じること
4 衣服という社会
5 モードを支える欲望
6 造形の戦場―衣服から肉体へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

入江

4
これぞ読書! ちらっと読むと、しばらく考えたくなります。興味深いところに付箋を貼ると、とんでもない量になってしまいました。ダイエットはピアスと同じ思考から生まれているとは知らなかった。オシャレをするのは、そもそもどうしてなのか。何が男性の服で何が女性の服なのか。私たちの先祖は、身体を文明化するために仮面をつけるなどしてきたが、現代の個人主義では、オシャレはアイデンティティ確認の道具となってゆく。「主体としての身体とはなんなのか」最高に面白かったです。2017/01/31

figaro

2
服装をはじめとする身体表現における男女差こそ、ジェンダーの起源ではないかという、本の中程の鋭い問いかけで目がさめる。身分や性差による服装の法規制が消えても、服装から性差そのものは消え去らず、次には、肉体そのものがメディア化され、性差と美しさの標準が形成される。メディア化=モードは、伝統的な規範を鼻先で否定し去る強力な力をもっているが、消費行動の変化が加速し、精神性の欠如した、出口のない回帰の反復と警告している。プライバシーを主張しつつ、最も秘密な部分でさえ、他者の認知を求める現代人の危うさを指摘している。2017/09/18

Reina SAIJO

0
日本を代表する服飾についての社会学研究者による著作。新聞用の連載生地をまとめたもののようだ。一般向けの本のためもあってか、参考文献の引用や参照がいまひとつはっきりしないのが残念。服飾史、化粧、流行、身体イメージ、美女の概念と話題が幅広い。ヴィオネの衣服と、関連した幸田文の文学作品の紹介が特に面白かった。反面、美についての哲学的考察の蓄積にまったく言及されていなかったり、摂食障害について誤解があったり、気になる論点もちらほらあった。2015/05/18

よちゆし

0
リサイクルブックコーナーで、目次を見て読んでみることにした。美しいとはどういう子とかに興味があったのだが、全編興味深く読むことができた。モードについての考察も興味深かった。2023/10/07

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