内容説明
1989年秋の大変動から2年。ひとびとの暮らしはどうなったか。日常生活の実態を現地から報告する。
目次
序章 東欧革命の過去・現在・未来
ハンガリー 田園都市ケチケメートの農民夫婦
ポーランド 地方都市グルエツのインテリたち
チェコ プラハの共働きサラリーマン一家
スロヴァキア ブラチスラヴァの一反対派青年の栄光と蹉跌
ブルガリア ゴールスコ・スリヴォヴォ村の村びとたち
ルーマニア ブカレストの生徒たち
クロアチア ザグレブ郊外、マルクーシェヴァツ村の人びと
セルビア ナダリ村の農民とセルビア難民の意識調査から
感想・レビュー
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印度 洋一郎
3
1989年のいわゆる民主革命後の東欧で、1990~1991年辺りの民衆について各国で調査した論文集。ポーランドから旧ユーゴスラビア(クロアチアとセルビア)まで網羅している。大体共通するのは「生活が苦しくなった」「人間同士の信頼感が無くなった」「教会組織が復活している」。ハンガリーの自作農の老夫婦の半生を共産主義政権下の戦後と共に振り返る証言が、なかなか興味深い。共産主義といいながらも農地の集団化が徹底せず、党組織から「借りる」という形で自作農が許されていたが、政策によって持っていた土地を没収されることも。2023/04/04