感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりっち
4
食糧政策・多国籍企業によるアグリビジネスは窮するものを救うための手立てではなく、あくまで自国優位の政策や企業本来の利益増進のための手段であり、それらが善意溢れる見た目とは逆の搾取を引き起こしているかについて書かれた本。書かれたのはもう古いけど本質は現代でも変わらない。そして半分くらいは哲学的な問いに感じられるような気すらした。知らないままで善意だけを募金箱に入れていればよい訳ではない。自分が世界の中で行う一挙手一投足は回りまわって何を引き起こすのか。バタフライ・エフェクトは決して都市伝説ではないなと思う。2016/08/30
Doraneko358
2
随分古い本なのに現代の弱肉強食のグローバリズムの世界を批判している良書。筆者の綿密な理論に舌を巻く。2016/09/04
Mikio Akagi
1
世界の見方が変わった一冊。大学生のときに読んだ。とある移民都市の格差社会について調べているときにこの本に出会った。世界のいろいろなとこにあるローカルな格差構造はグローバルな搾取の歴史的構造に組み込まれているということに気づかされた。だからこそ世界を変えることは難しい。貧困や飢餓を無くすことも難しい。でも世界をどう見るかを変えるのはそこまで難しくはない、と新しいパラダイムを自分の中に与えてくれた大切な一冊。学術論文ではあるのだろうけれど、文学的にも文章自体が人を惹きつける説得力、レトリックに富んでいる。2020/05/26
Satsuki
1
原題『How the Other Harf Dies: The Real Reasons For World Hunger』 『ビデオニュース・ドットコム』代表の神保哲生さんが、「ジャーナリストになろうと思ったきっかけになった」と奨めいたので読んでみた。 筆者が本書の引用や利用、そして″著作権侵害″を推奨しているので、以下くつか引用(長文です)。 ”人々の多くは、栄養失調や飢餓を意図的につくりだしているものの存在とそのからくりをはっきり知れば、きっと反対行動に立ち上がるだろうと思う。だが、現在のとこ2012/08/03
ともくん
0
発展途上国から、農業を使って富を吸い上げる仕組みが、巧妙かつ狡猾ですね。現在は、もっと色々な国から多岐にわたる分野で吸い上げているのでしょう。おお怖い。2014/02/10