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「雁の寺」の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022579706
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

内容説明

逝去した最後の文豪・水上勉。その文学的出発点となった直木賞受賞作「雁の寺」。その創作の秘密を、生前最良の友人・司修が作品の舞台となった京都を訪れて探り当てる。水上文学の真髄に迫り、故人の面影を偲ぶ追悼の書!「雁の寺」の舞台となった相国寺管長・有馬頼底禅師の特別語り下ろしも収録。

目次

「雁の寺」の真実(水上勉×司修)
作家・水上勉と「雁の寺」(司修)
水上文学と禅(有馬頼底)

著者等紹介

水上勉[ミズカミツトム]
1919年、福井県に生まれる。九歳で相国寺塔頭・瑞春院にあずけられる。花園中学卒業後、還俗し立命館大学国文科に学ぶ。のち上京し、宇野浩二に師事。48年、処女作『フライパンの歌』を出版。『霧と影』で社会派推理作家として注目を浴び、61年、『雁の寺』で直木賞を受賞する。『飢餓海峡』『越前竹人形』『五番街夕霧楼』など名作を次々と発表、吉川英治文学賞、菊池寛賞、谷崎潤一郎賞、毎日芸術賞、川端康成賞など受賞多数。2004年9月、永眠

司修[ツカサオサム]
1936年、群馬県前橋市に生まれる。画家・装丁家・作家。さまざまな職を転々としながら絵を独学で学ぶ。65年頃から装丁の仕事を始め、水上勉、三浦哲郎、吉村昭、大江健三郎などの作品を手がける。また、小説にも才能を見せ、93年、「犬(影について・その一)」で川端康成賞を受賞。作品集に『紅水仙』『汽車喰われ』などがある。絵本は特に高い評価を得て、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、ライプチヒ国際図書デザイン展金賞など数々の賞を受ける。現在、法政大学国際文化学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

56
【『雁の寺』は、殺人事件物であるけれども、反骨と母恋いの物語である】 水上勉の代表作『雁の寺』を、大江健三郎の装幀などで知られる司修が、作品の舞台を歩き、本人にインタビューしながら検証した書。加えて、「雁の寺」のモデル・相国寺の有馬頼底管長の語りも収録。わたしも、学生時代は京都の臨済宗妙心寺内寺院にいたので、この『雁の寺』や『金閣寺炎上』は共鳴しながら読んだ記憶がある。司修は書く。<『雁の寺』の作者の息遣いは未だ感じられ、塀の染みや苔で色塗られた岩に少年の寂しさや悲しさや憤懣は永遠に生き続けている>と。⇒2023/06/16

マカロニ マカロン

10
個人の感想です:B。『雁の寺』参加し、参加し、作品に水上氏の生い立ち、小僧として京都の寺に修行し、2度の逃走を図ったことが投影されていることを知った。本書には水上氏を交えた4人の対談。水上作品の装丁も多く務めた司修氏の『雁の寺』の論考、相國寺金閣寺等の有馬頼底住職の「水上文学と禅」が収められている。『雁』には水上氏の禅寺での修業時代の経験が大いに投影されていることがわかる。戦前の禅寺では住職や兄弟子からの「理不尽な」暴力が容認されていた。鯉を食べる話も経験している。反骨と母恋の小説の原点がわかった2022/07/18

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