内容説明
逝去した最後の文豪・水上勉。その文学的出発点となった直木賞受賞作「雁の寺」。その創作の秘密を、生前最良の友人・司修が作品の舞台となった京都を訪れて探り当てる。水上文学の真髄に迫り、故人の面影を偲ぶ追悼の書!「雁の寺」の舞台となった相国寺管長・有馬頼底禅師の特別語り下ろしも収録。
目次
「雁の寺」の真実(水上勉×司修)
作家・水上勉と「雁の寺」(司修)
水上文学と禅(有馬頼底)
著者等紹介
水上勉[ミズカミツトム]
1919年、福井県に生まれる。九歳で相国寺塔頭・瑞春院にあずけられる。花園中学卒業後、還俗し立命館大学国文科に学ぶ。のち上京し、宇野浩二に師事。48年、処女作『フライパンの歌』を出版。『霧と影』で社会派推理作家として注目を浴び、61年、『雁の寺』で直木賞を受賞する。『飢餓海峡』『越前竹人形』『五番街夕霧楼』など名作を次々と発表、吉川英治文学賞、菊池寛賞、谷崎潤一郎賞、毎日芸術賞、川端康成賞など受賞多数。2004年9月、永眠
司修[ツカサオサム]
1936年、群馬県前橋市に生まれる。画家・装丁家・作家。さまざまな職を転々としながら絵を独学で学ぶ。65年頃から装丁の仕事を始め、水上勉、三浦哲郎、吉村昭、大江健三郎などの作品を手がける。また、小説にも才能を見せ、93年、「犬(影について・その一)」で川端康成賞を受賞。作品集に『紅水仙』『汽車喰われ』などがある。絵本は特に高い評価を得て、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、ライプチヒ国際図書デザイン展金賞など数々の賞を受ける。現在、法政大学国際文化学部教授
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