内容説明
段ボールハウスは人生の縮図。紙箱の家の歌人。
目次
風の示唆
父の死
短歌と焼け跡の白米
若き日の歌
町工場
結核と波郷の贈り物
新宿ドヤぐらし
寄せ場と売血
母の死
路上へ〔ほか〕
著者等紹介
富士森和行[フジモリカズユキ]
1928年、東京生まれ。都立京橋化学高校中退。日清紡勤務などを経て現在に至る
中村智志[ナカムラサトシ]
1964年、東京生まれ。朝日新聞社「週刊朝日」編集部員。『段ボールハウスで見る夢』(草思社)で講談社ノンフィクション賞受賞
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感想・レビュー
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sibafu
1
図書館にはホームレスみたいなおじさんが多い。そして、仲がよさそうに他のそれっぽい人と話していてけっこう楽しそうにも見える。その図書館で、「藤沢周」の棚を見ていて見つけた本。短歌を詠む路上生活者・富士森和行さんの短歌を中心とした半生を、中村智志さんが聞き書きしたもの。当然かもしれないけど、ホームレスも昔はまっとうに働いていたんだな、と読みながら思う。富士森さんは未成年の頃から父親の代わりに働きながら短歌を詠んだりする文学青年だったけれど、戦争や病気、不景気などに圧されてホームレスに。興味深い一冊だった。2013/04/17
あられ
0
まっすぐに生きることを誰もが願ってやっているはずなのに、何処かが掛け違って元に戻れなくなる…その人生を“除外”することなどできるはずがないと感じた。2015/01/15