エイジ

エイジ

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  • サイズ B6判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022573520
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

舞台は東京郊外のニュータウン。孤高の秀才・タモツくん、お調子者で悪ガキのツカちゃん、ちょっと気になる相沢志穂、シカトされるバスケ仲間・岡野、ぼくを好きな本条めぐみ、優しい家族に囲まれマジメなぼく…。そんな日常のなか、ぼくらの街で起こった連続通り魔事件の犯人は、クラスメートのタカやんだった。事件に揺れる中学校生活のなかでみつめる、ほんとうの自分とは?14歳、思春期に揺れるいまどきの「中学生」をリアルに描く90年代最後の少年文学。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

taiko

59
エイジの地元ニュータウンで起きた連続通り魔事件。犯人は意外な人だった。…成長痛のオスグッドに悩まされ、バスケ部をやめることにしたエイジ。家族との関係も比較的良好で、学校でも成績は優秀な方、一般的な中学生であるエイジにも、破壊的な『その気』はあって、通り魔の気持ちを想像してしまう。鬱屈した気持ちを持つ中学2年生という多感な時期。そっちに転がることはなくとも、多くのその年齢の子達がそういう部分を持ち合わせているのだろうと思い、とてもリアルで、興味深かった。エイジを始め、登場人物に多くの魅力的な子が→続く 2019/10/27

むう

45
重松さん4作目、面白かったので一気に読了^^。14歳の中学二年生エイジ、オトナとコドモの中間を生きている「危なっかしい」主人公、その家族、クラスメイト、団地で頻発する通り魔事件、マスコミの取材…。誰にでもあったあの不安定な時期に、次々と起こる小さな事件の数々に翻弄され、流され、もがきつつも、エンディングでは少しだけだけど「成長」できましたね。途中、ヒヤヒヤしながら最後まで一気に読んでしまいました。改めて著者の心理描写の巧さに脱帽です♪ ホント、「あの頃」ってこんなカンジだったよなぁ…(遠い目・笑)。2017/03/18

あつひめ

38
自分でも通ってきた時なのに、どうしても想像でしかない。あの頃の複雑な気持ちが思い出せないというか。子供から大人への変化。蝶が幼虫から蛹になり蝶になるときみたいなもの。蛹の段階で蝶になるための準備にドロドロと大改造が行われる。自分ではどうしようもない。自分でもどこへ向かっているのか、きっとわからないまま成長を遂げるのだろう。大人になる時、そういう記憶をこぼしてしまったのかも。だから14才のもつ精細な心を想像するしかなくなってしまうのかも。ドラマのような親子。友人も家族も教師もみな演じている部分があるのかも。2010/11/27

そうたそ

37
★★★★★ 重松さんの初期作品ってやっぱり良い。読みながら、不安定な心情だと思うのだが、まさしくそれこそが思春期の中学生なわけで、当時の重松さんの作品はどれも等身大の青少年が巧みに描かれていた。最近の重松さんの作品は感動・涙を誘おうとする押しつけ感、キレイな部分ばかりを描こうとする感じがあまり気に入らないのだが、この作品を見ても分かる通り、等身大の青少年を描こうと思ったら、キレイな部分だけでは足りず、汚い部分も描かなければいけないということ。こうであってこそ重松清だ、と改めて思った一冊であった。2013/09/04

まさ

23
自分が中学生の時はエイジのように色々と考えることはなかったかもしれない。もっと単純で真っ直ぐだったような。最近の自分の方が「会社」からキレて休みたいと思ったり、「その気」が頭の中で爆ぜそうになったりしている。エイジは最後に「『好き』がたくさんあればあるほど『その気』は奥にひっこんでくれるような気がする」と感じていた所にとても共感できた。「好き」な何かがないと生きていけないと思っている今の自分の心に響いた。物語は中学生物だが根っこには大人にも通じる心情があるなぁ、と思った。2014/05/11

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