歴史写真のトリック―政治権力と情報操作

歴史写真のトリック―政治権力と情報操作

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  • サイズ A4判/ページ数 189p/高さ 28X23cm
  • 商品コード 9784022559395
  • NDC分類 209.7
  • Cコード C0020

内容説明

写真の誕生とともに始まった修整・改造技術は1920年代、アヴァンギャルド運動と結びついて芸術の高みに達した。と同時に、政治の道具にもなり下がる。トリミング、切り詰め、塗り潰しによる反対派の排除、バックのぼかしと化粧直しによる個人崇拝の助長、モザイクによる歴史の書き換え、歴史教科書への映画スチールの利用、ネームのすりかえ、はては被写体からの捏造―スターリン、ムッソリーニ、ヒトラー、毛沢東、ゴトワルト、ホー・チ・ミン、金日成、サンファン、ディミートロフ、チトー、ホッジャ、カストロ、フルシチョフ、ブレジネフ、トレーズ…。情報の一元管理がいかに多くの犠牲者を生み出してきたことか。

目次

レーニンの伝説的生涯
革命の情景
画像の頭領、ムッソリーニ
第三帝国の演出
スターリン崇拝のイコン
毛沢東伝説
《クー》からプラハの《春》まで
アジアの生活と戦闘
バルカン革命
キューバ史のだまし絵
ソ連の伝統
方法が輸出される時
謝辞
写真クレジット
解説―全体主義国家の情報操作の裏で

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tama

10
図書館本 安野光雅さんの本で知って 全体主義的政治機構の下で行われた広報写真への改造を改造前後の写真を使って説明している。が、殆ど絵画となっている(誰が見ても)ものもありそれはどうなんだべ?スターリン時代のソビエトが一番多く、それは個人崇拝を進めたい、こいつは敵だ(だから排除した、そのことを示す)が理由。なお著者について感想書く前にwikiで思想傾向を調べた。右翼でも何でもないようで、とすると、コミュニズム全体が絶対帝王を作り易いってことか?今は主義に関係なくもっと手が込んでて見分けつかないんだろうな。2019/08/29

Aby

3
見る人を誘導するための改造写真の数々.今どき「写真は真実を映す」と信じる人はなかろうと思うが,使用前・使用後を比較して意図を読み解くのも一興.2014/05/14

tkm66

1
大学生の頃購入→「わあ!面白い!貸して!」と友人の彼女に貸す→友人と彼女が別れる→(以下略)

庭戸

1
歴史的な修正写真を集めた写真集です。政治家たちの写真では最初は一緒に写っていたのに、政争の後の同じ写真では失脚した人物がきれいさっぱり消去されていたり、元は仲よく写っている写真などないのに、政府の都合で合成で作られていたり、まあいろいろです。歴史には詳しくありませんが、何故そのような改変がなされたかの説明は興味深いものでした。今私たちが得ている情報にも、巧みな操作がされている可能性もあり、情報をうのみにすることの危うさを感じましたが、 真実の見極め方はさらに難しくなっているのかなと思いました。

sendagi1130022

1
20世紀の全体主義国家及び旧東側を中心とした修正写真集。後書きにもあるように写真は“真を写す”と書くが、それを逆手に取った権力というものは恐ろしいものだ。表紙にもある毛沢東の葬儀における四人組のこれ見よがしな修正はまさに「抹殺」と呼ぶにふさわしい。2011/07/11

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