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焼野まで

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022513588
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

震災の翌日、子宮体がんが疑われ、その後放射線治療がはじまった。副作用による宿酔、がん仲間でのさまざまな支え合い、最先端の治療、鍼灸師とのやりとり……成熟した作家による、病と身体と心を揺さぶる問題作。

内容説明

大震災直後、子宮ガンを告知された。火山灰の降り積もる地で、放射線宿酔のなかにガン友達の声、祖母・大叔母が表れる。体内のガン細胞から広大な宇宙まで、3・11の災厄と病の狭間で、比類ない感性がとらえた魂の変容。前人未到の異色作。

著者等紹介

村田喜代子[ムラタキヨコ]
1945年、福岡県八幡(北九州市)生まれ。1987年『鍋の中』で芥川賞、97年『蟹女』で紫式部文学賞、98年「望潮」で川端康成文学賞、99年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。2007年、紫綬褒章受章。2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、2013年『ゆうじょこう』で読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

110
私小説的な内容がどこか気に障る。子宮体がんに放射線治療を施す。子宮は、娘を宿した場所。妊娠している時や出産の時の記憶が巡る。そして、娘との確執は、自身の母親との関係が影を落とすのか。母と娘に関する語り口に何か意地悪な気を感じて、私はこの方は苦手だなと思う。包み隠すことなく語っているのだとしても。主人公の言うように、癌との戦いは百人百様。誰に何が効くかはわからない。鏡もない仮住まいの部屋で、毎日ひたすら放射線治療に通うことは、わたしにはつらくて出来ないかもしれない。火山の暑さはよくわからなかった。2018/07/11

なゆ

84
子宮体がんで、四次元ピンポイント治療を受けるために遠く離れた土地で過ごす一か月。村田さん自身が体験した、治療と思考の克明な記録のようでもある。たったひとり、重い体を引きずるようにウィークリーマンションと治療センターを行き来する孤独な闘い。『光線』のときは、確か夫視点の話だったと思うが、こちらは考えや感じ方がストレートで生々しい。『光線』のあとがきにあった、治療中に考え続けたという〝原発への恐怖と、放射線治療の恩恵と、太陽を燃やし地球を鳴動させる巨きな世界への驚異〟それらすべてが、見事に融合してると思う。2016/03/06

ゆみねこ

82
2011年、震災のあったあの年に子宮体がんを発病した主人公。最先端の放射線治療を受けるために鹿児島へ赴き、一人でウィークリーマンションですごす。火山爆発と原発事故、同じ治療をうける患者同士の交流。親しかった元同僚の闘病と死。同じ年代の自分としては何とも身につまされる読後感。2017/02/06

ぶんこ

72
子宮体癌を患った主人公が、手術を選ばずオンコロジーセンターでの放射線治療を選びます。この治療法を全く知らなかったので、早速情報検索してお気に入りにいれました。私も癌の家系で、実父を胃ガンで亡くしているので、癌治療については考えるところがあって、手術・入院は避けたい。まして初診の医師は口コミでチェックしておかないと、行実さんの主治医のような、人としてどうなのかと思う医師には見て欲しく無い。また夫の見舞いを断るところも共感しました。心身ともにしんどい時に気を遣っていられません。2017/03/14

パフちゃん@かのん変更

50
描写がえらくリアルだなと思ったら、調べてみると実体験に基づくものでした。震災の翌日に子宮体癌が見つかった。そして鹿児島のオンコロジーセンターで一か月にわたる治療を受けた。樹木希林さんもそのセンターで治療を受けられたようです。著者は治療後5年経っているから治療は成功したのですね。こんな方法があるのなら、すい臓がんで亡くなった義兄にも教えてあげたかった。2017/03/06

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