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ブラックボックス

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  • サイズ A5判/ページ数 498p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022510457
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

サラダ工場のパートタイマー、野菜生産者、学校給食の栄養士は何を見たのか?
会社の不祥事で故郷に逃げ帰ってきた元広告塔・栄実、どん詰まりの地元農業に反旗を翻した野菜生産者・剛、玉の輿結婚にやぶれ栄養士の仕事に情熱を傾ける聖子。真夜中のサラダ工場で、最先端のハイテク農場で、閉塞感漂う給食現場で、彼らはどう戦っていくのか。
食い詰めて就職した地元のサラダ工場で、栄実は外国人従業員たちが次々に体調不良に見舞われるのを見る。やがて彼女自身も……。その頃、最先端技術を誇るはずの剛のハイテク農場でも、想定外のトラブルが頻発する。
複雑な生態系下で迷走するハイテクノロジー。食と環境の崩壊連鎖をあぶりだす、渾身の大型長編サスペンス。週刊朝日連載の単行本化。

内容説明

サラダ工場のパートタイマー、野菜生産者、学校給食の栄養士は何を見たのか?食と環境の崩壊連鎖をあぶりだす、渾身の大型長編サスペンス。週刊朝日連載の単行本化。

著者等紹介

篠田節子[シノダセツコ]
1955年、東京都生まれ。東京学芸大学卒業後、東京都八王子市役所勤務を経て、90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。『女たちのジハード』で直木賞、『ゴサインタン』で山本周五郎賞、『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

261
久しぶりの篠田作品。少し長いがそれが又、微妙な恐ろしさを増幅させていたような気がした。じわじわと真綿で絞められるような感覚とでも云おうか・・口にする物が題材だからか、それを取り巻く環境やら労働力とか現実が私に選択を迫っている。時間と手間を秤にかけて安心・安全を見なかったことにしてきた『つけ』か?もう既に無菌状態でしか生きられないのか日本人よ。読後は畑で姑が作る季節毎の野菜が、愛しく感じられる。今、私たち世代が次世代の子らへ伝える、大切なことを教えてくれた作品だと思った。篠田作家、してやったりだろう。2016/01/11

tama

179
図書館本 予約してしばらくかかった。滑らかに読み終えた。この本は小さなお子さんを持つ、若いお母さんは読まない方がいい。まわりの食物に対する不信感を払拭できなくなる。ワタシが勤めていた会社にも、違法行為を「やった方が会社のため」と信じ込んでいる大馬鹿管理職がいて手を焼いたが、そいつは今、傍流の事業部の品質管理部長だって。あの会社もそろそろデカイ事故を起こすかも。技術屋としてはワタシも、社長の理想は凄く胸に落ちる。2013/06/22

🐾Yoko Omoto🐾

147
鮮度保持に欠かせない添加物、食味を飛躍的に向上させるアミノ酸、何をどれだけ摂取すれば人体に有害であるか、毒性は無いとされるそれらに対して、知らず蓄積されることの危険性に警鐘を鳴らす作品。無闇に危険ばかりを意識すれば食べれるものは無くなってしまうし、無菌、無菌と神経質になることもまた抵抗力の無い体を作ってしまいかねない。農業の未来、企業の営利、最先端テクノロジーなど、進歩の裏で疎かにされていくものに対し、個人が義憤に駆られたところでどう出来るものではないが、せめて選択と防衛は自分自身で行っていきたいものだ。2017/11/23

koba

143
★★★☆☆2014/03/29

Lara

99
太陽光さえ差さない、まるで無菌室のような中で、管理された養液に浸された植物は果たして植物と呼べるだろうか。「工業製品」と呼びたくなるような代物だ。そんな管理された環境でも、人間のやることだ僅かな漏れがありうる。完璧に計算されたようでも、隙間がありうる。方や、そんな管理された工場内で、まるでロボットのように働くのは、海外からの研修生。労働者でないがゆえに、賃金を最低限にするための方策。やっぱり、太陽の下、自然な空気と豊かな大地で育てられた、植物に勝るものはないことは、言うまでもないと、改めて思いました。2022/10/02

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