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宿神〈第4巻〉

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  • サイズ B6判/ページ数 383p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022510242
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

 奥州から久方ぶりに京に戻った西行は、ついに高野山入りを決意する。京は、皇位をめぐって、天皇家、藤原氏、平氏、源氏入り乱れた大乱前夜を迎えていた! 雄渾の大河伝奇絵巻にして夢枕〝時代伝奇″の最高傑作、ついに完結!

内容説明

「滅びゆくものしか愛せぬのだな」待賢門院璋子、崇徳上皇、平清盛―亡き者たちを背負って歩く西行の胸に去来するものは…。宿の神はただそこにあるだけ―著者雄渾の大河伝奇絵巻、堂々の完結。

著者等紹介

夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、神奈川県小田原市生まれ。77年に作家デビュー後、“キマイラ・吼”“魔獣狩り”“闇狩り師”“陰陽師”シリーズ等人気作品を発表し、今日に至る。89年『上弦の月を喰べる獅子』で、第10回日本SF大賞を、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。さらに『大江戸釣客伝』で、2011年に第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、2012年に吉川英治文学賞を受賞。日本SF作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

文庫フリーク@灯れ松明の火

86
自らも散り行く桜でありながら、平安時代という巨大な桜が散って行くのを見届ける西行。璋子、鰍、清盛・・幾つもの花びらが散って行く。儚く散るがゆえに桜は美しい。「人は皆愚かじゃ。愚かでない人間などいるか。その愚かな人を、その愚かさごと愛さねば、生きてはいけぬものぞ!」熱い涙と共に叫ぶ西行。亡き袈裟の首を愛でる文覚は、愚か者なのか妄執の塊なのか。「この手に握っている杖が歌だ。杖にすがるように歌にすがりながら、杖に支えられるように歌に支えられながら、ここまで歩いてきた」西行、齢71歳。【願はくは花の下にて→2014/04/03

KAZOO

34
やっと全4巻を読み終わりました。途中は平家物語そのままのような感じでしたが、最後のほうはこの本本来の題名に戻ってきた感じだします。西行と清盛をうまく主人公にしてそれにまとわりつく宿神について楽しく読ませてもらいました。実在した人物ー特に評価の定まっているーを主人公にするのは難しいのでしょうが、晴明や空海などに引き続き楽しみました。2014/05/15

紅香@新刊購入まで積読消化あと4冊⭐︎

29
何からもそれは這い出てくる。どこからも滲み出てくる。例えばそれは神のように。美のように。見る者の視線によって自在に姿を変えてゆく。。清盛にとってそれとは権力であり、西行にとってそれは歌であっただろうか。。歴史の舞台で踊っている踊り手達。誰一人愚かとは言えない。命懸けで花を咲かせ、そして潔く散っていく。ここまで駆けた。ここまで辿り着いた。それ以降の私達。あれから随分遠くまで来た。この場所からさらに駆けに駆ける。『するのは人だ。人が想う。人が想えばその想いに翁は感応するのである』その変化を善悪なく見届けたい。2019/10/30

ぐうぐう

28
1巻を読み始めたとき、これは若き西行と清盛の青春物語なのだという印象があった。その時点で、まさかこの二人の生涯を描く物語となるとは、思いもよらなかった。バランスという観点から言うと、全4巻の構成は歪ですらある。後半は駆け足であることは否めない。しかし、だ。そんな欠点など、まるで気にならないくらいに、物語に、そして人に魅せられてしまっている自分に気付く。結局のところ夢枕獏は、人を描こうとしているのだ。歴史の皮肉に甘えず、あくまで人にこだわり、その生き方にこだわり、渾身の想いで描き切るのだ。(つづく)2013/06/05

不羈

28
読んで好かった。 ある意味、獏さんが真向から書いた平安末期の歴史小説。 日本的な空気感とか、今の著者が感じていることが良く伝わる。 全てのモノ・生物に宿る何か。それがあるとき渇望とか、野心とかそういったかたちには表せないモノとして心に宿ったとき、どうその人自身がその“宿痾”と向き合って前に進んでいくのか。それを西行を中心に清盛、崇徳上皇など様々な登場人物を通じて語って見せたと思う。 第一巻での感想の様に、河の流れのような作品だった。 60、70代になってからもう一度読み返したら、その時の自分はどのような感2013/01/28

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