宿神〈第1巻〉

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  • サイズ B6判/ページ数 345p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022510020
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

 西行と鳥羽上皇の中宮・待賢門院璋子との悲恋を縦糸として、平清盛をはじめ、後白河法皇、崇徳上皇、源義朝、信西、源頼朝など、『平家物語』のオールキャストが登場する壮大な歴史叙事詩。生きるとは? 老いるとは? そして死とは? 人間の根源に迫る伝奇巨編!

内容説明

保延元年(1135)―北面の武士である佐藤義清(後の西行)と平清盛は、同い年ということもあり妙に馬が合った。2人は怪しげな呪文を唱える呪師の申と妹の鰍に出会う。凶暴な放免たちに襲われた鰍を救うため申が呪を唱えると、あれが気配をあらわしはじめ、窮地を脱する。一年後、鳥羽上皇の中宮・待賢門院璋子に出会った義清は、その美しさに目を奪われた―。人間の根源に挑む著者畢竟の大河伝奇絵巻。

著者等紹介

夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、神奈川県小田原市生まれ。77年に作家デビュー後、シリーズ人気作品を発表し、今日に至る。89年『上弦の月を喰べる獅子』で、第10回日本SF大賞を、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。さらに『大江戸釣客伝』で、2011年に第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、2012年に吉川英治文学賞を受賞。日本SF作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

159
読友さんが平安時代の本読んでてホイホイ釣られ、夢枕獏さん初読み。京極夏彦好きな人が皆さんお好きなのでもともと興味はあったが、噂に違わず面白かった。 佐藤義清(のちの西行法師)と平清盛の北面の武士時代を、なんとも青春文学みたいな爽やかな感じで描いていてとても新鮮。何ごとにも冷静で、和歌も蹴鞠もなんでもさらっとやってのける義清が捕らわれたひとりの女性。ところどころ滲む異界のものの気配。うっそりとあやしい平安時代もの、好きです。平清盛のぶれない感じもかっこいい。2巻も楽しみ。2019/06/07

nico🐬波待ち中

106
優雅な貴族社会から、荒くれ者の男達が上へ上へとのしあがっていく、歴史の変動期の平安時代末期のこと。若き日の西行(佐藤義清)と平清盛、共に北面の武士で同志の二人は、どこまでも青くて真っ直ぐで眩しい。雲上の女性への叶わぬ恋心に悩み苦しむ義清。普段は冷静沈着な義清の、一人の女性を想う狂おしさが文面から溢れてきて夢中で読んだ。歴史的な結果は分かっていても、この後の義清の行く末、「西行」になる過程がとても気になる。正直、今まではあまり興味のなかった時代だったけれど、ワクワクして面白かった。もちろん第ニ巻にも期待大。2019/06/08

文庫フリーク@灯れ松明の火

105
【願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月の頃】あまりに有名な西行法師の歌。平安時代、あの平清盛と同僚の北面の武士・佐藤義清の出家した後の名とは。同じく同僚の遠藤盛遠、抑えきれない熱情が、身体の肉をめりめりと破る漢を描かせると獏さんは実に巧い。惚れた女の夫の首を掻き斬ったつもりが、抱えていたのは夫の身代わりとなった愛しき女の首であった‐獣とも鬼ともつかぬ男の慟哭。そして義清(西行)もまた。月光を絡め取る哀切な〈想夫恋〉を奏でる雲上人たる女性の前に、全く無防備なまま身をさらしてしまう。「喰われた」と→2014/04/02

藤枝梅安

58
佐藤義清と平清盛、そして渡辺渡、袈裟御前、遠藤盛遠が登場。伝奇小説の要素と史書の解説の要素を併せ持つ小説。白河法皇の晩年から没後の時代。義清と待賢門院との不思議な繋がりも描かれているが、全体としては史実をなぞり、筆者の解釈を加えている段階。物語の導入で、まだまだこれからというところか。2013/01/04

そうたそ

49
★★★☆☆ 夢枕獏さんのここまでの大長編を読むのは久し振り。西行こと佐藤義清と平清盛のコンビを中心に話は進められる。基本的には「陰陽師」の世界観に近いような気もするが、「陰陽師」ほど幻想的でなく展開もスピーディー。四巻にもなる大長編でありながら、相変わらず夢枕さんの語り口の滑らかさに、一気に読んでしまった。基本的には史実をベースに描かれているのであろうが、小難しいことは全くない。四巻ともなれば、途中で冗長とも感じられる部分も少なからず出てくるが、それでも読み終わった時には満足感を得られる良作であった。2014/09/08

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