出版社内容情報
3.11から約3週間後、文明史的観点から震災と原発事故を論じた鼎談を緊急出版。原発専門家はリスクの全貌を知っていたのか。そもそも原発とは「一神教的」文化の産物ではないのか。原発推進に一役買った「エコ」ブームの破綻と、それに代わる知の枠組み、政治的ムーブメントとは? 刺激的な対話が、復旧ではない真の復興への道筋を示す。Ustreamでも配信された「ラジオデイズ」番組の書籍化。
内容説明
未曾有の震災後に浮かび上がる、唯一神のごとき「原発」。原子力という生態圏外のエネルギーの憤怒に、われわれはどう対峙し、無惨に切断された歴史を転換させていくべきなのか。白日のもとに晒された危機の本質と来るべき社会のモデルを語り尽くす。
目次
1 未曾有の経験をどう捉えるか
2 津波と原発事故はまったく異なる事象である
3 経営効率と排除される科学者の提言
4 原子力エネルギーは生態圏の外にある
5 原子力と「神」
6 「緑の党」みたいなものへ
補 私たちはどこへ向かうべきか―質疑応答に関連して
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年、東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、神戸女学院大学名誉教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。著書に『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書、小林秀雄賞)、『日本辺境論』(新潮新書、新書大賞二〇一〇)など
中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。人類学者。著書に『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞評論・伝記賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)、『フィロソフィア・ヤポニカ』(伊藤整文学賞評論部門)、『カイエ・ソバージュ全5巻』(5巻で小林秀雄賞)、『アースダイバー』(桑原武夫学芸賞)など
平川克美[ヒラカワカツミ]
1950年、東京都生まれ。早稲田大学理工学部卒業。1977年、翻訳サービスと日米IT関連企業へのローカライズサービスを提供する「アーバン・トランスレーション」設立。1955年、ビジネスサポートを主業務とするBusiness Cafe,Inc.(シリコンバレー)設立に参加。2001年、「株式会社リナックスカフェ」設立、現在、代表取締役。2007年、「ラジオカフェ」を創業、同社取締役プロデューサーとしてラジオパーソナリティーを兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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