知と情―宮澤喜一と竹下登の政治観

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022508478
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0031

内容説明

オーラル・ヒストリー研究の第一人者である著者のテキストの中から、同じ分野で活躍した人物を選び出し、時間軸に沿って彼らの行動原理や論理を本人たちの発言から探り比較する「オーラル・ノンフィクション」の第二弾!今回取り上げる宮澤喜一と竹下登は、政策や組織の考え方が一八〇度異なりながら、それぞれ池田派、佐藤派を継承し、総理大臣にまで登りつめた。戦後保守政治を生き抜いた二人の成功と挫折を「最後のフィクサー」と呼ばれた福本邦雄の発言を補助線に分析。知性の世界から、情緒の世界から政治に迫った二人を徹底対比する。

目次

序章 派閥解体(保守派とリベラル派が中立点を引きずり込む;ブレーン政治はやらない)
第1章 原点(エリートだけど孤独;オプティミズムとシニシズム ほか)
第2章 昇華(自民党を派閥史的に見る;垂直統合と水平統合 ほか)
第3章 異種融合(田中角栄の語り;「量」が「質」を凌駕する ほか)

著者等紹介

御厨貴[ミクリヤタカシ]
東京大学先端科学技術研究センター教授。東京大学博士(学術)。1951年、東京都生まれ。75年、東京大学法学部卒業。同大学助手、都立大学法学部教授、ハーバード大学研究員、政策研究大学院大学教授を経て、2002年から現職。専攻は政治学・日本政治史。著書に『政策の総合と権力』(東京大学出版会、サントリー学芸賞)、『馬場恒吾の面目』(中央公論新社、吉野作造賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Kenji Suzuya

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東大を出て大蔵省というエリート中のエリートであった宮澤と、中学教師から県議、国会議員へと出てきた竹下とを対比しながら論ずる。組織操縦のあり方や権力の指向の仕方など、対比することで違いがよく見えるといえる。2016/05/03

のん

0
期待以上の一冊。宮澤と竹下を対比しながら、二人の人間像に迫っている。二人はそもそも政治への出会いが全く異なっており、政治に出会った時点から二人の政治観には大きな違いがあったようだ。とはいえ、宮澤は自身の政権運営の際に竹下派の力を必要としたし、竹下も子飼いの小渕が総理になったとき宮澤の協力を必要とした。決して交わらない二人が最後は互いを必要としたのは印象的だった。2016/02/07

いのふみ

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社会情勢も絡ませながら、性格や政治観の相違が彼らの発言からバランス良く論述され、鮮やかに分析される。政治がまったく分からない自分にとっては、二人の対照性、それと裏腹な共通点がよく見えた気がした。2014/06/18

yagian

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御厨貴の分析は繊細だと感銘を受ける。政治記者や秘書の体験的な政局談義とは明確に一線を画する。宮沢喜一が、戦後日本の二つの転換点として、1960年の安保騒動と1985年のプラザ合意を挙げているのが印象的で、いろいろ考えさせられる。2012/06/17

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