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内容説明
着物のこと、古い京都のこと、父から教わったこと…今の方々に知っておいていただきたいことが、いくつもあるのです。私が伝えておかないと、忘れられてしまうように思えまして。九十歳になりましたから、少しは言わせていただいても、よろしゅうございますかと…。
目次
第1章 四季のこえ(春(花ぐもり(桜その一)
春霞(桜その二) ほか)
夏(端午の節句によせて;しどけなくならない ほか)
秋(秋を迎えて;襷をかける ほか)
冬(新年のならい;着物と呉服 ほか))
第2章 お嬢さま方への伝言(白梅の色香;お雛様に託す女心 ほか)
著者等紹介
木村孝[キムラタカ]
染織研究家、随筆家。1920年、京都市生まれ。生家の後継者として染色をならうが、1944年より京都新聞文化部に籍を置く。1954年より染色個展を毎年開く。夫の赴任に伴い5年間ロンドン滞在。染織デザイン、服飾史などを学ぶ。2008年、「スティービービジネス女性大賞特別功励賞」を受賞。2010年11月に90歳を迎える。日本エッセイストクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真澄
2
とても綺麗な装丁で、色使いや紙にまで心遣いが感じられます。和を中心に綴られていますが、綺麗=目立つ事ではなく、控えめな美について四季折々の場面で解説されています。「ワビサビ」を簡単に使うなど言語道断!っと言ったところでしょうか。面白かったのが、親類から譲られた着物以外のアンティーク着物についての苦言。柄ON柄は、90歳の著者からすればエコどころか下品なんでしょうね。2010/12/16
きょう
1
美しい装丁。着物の写真はありません。紋や柄の、白いシンプルな挿絵?と木村孝さんの語りのみです。静かに、きっぱりとご自身の躾られたこと、次の世代に伝えるべきことを。人生があと半分あると思っている私は、これから我が振りを美しくと心がけ、いつの日か孫から「おばあちゃんはどうして○○するの?」と聞かれるように、正しい事を教えられるように~。木村孝さんのことを知って間もなく、お亡くなりになったのですが、こうして本で教えて頂けることがありがたいと思います。2019/06/06
ちくたく
1
男性がネクタイを締められるようになるのは、父親や周りから教えてもらえるから。女性の帯結びも、しかり。なるほど。2012/06/10
rimi_o
0
読了。四季や節目ごとの行事に限らず、普段の生活の至るところに配慮すべき点があって、それだけで生活は少しずつ美しくなる。それは接遇も同じ。しきたりには世代を経ても受け継がれる理由があるし、それが利便性に押されて消滅してしまうのは残念。生活スタイルが変化しても、日本の個性とでもいうべき文化は生活の中に残っていってほしいもの。2014/06/20