聖なる怠け者の冒険

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  • サイズ B6判/ページ数 339p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022507860
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

【文学/日本文学小説】「何もしない、動かない」ことをモットーとする社会人2年目の小和田君。ある日、「ぽんぽこ仮面」なる怪人から「跡を継げ」と言われるのだが……朝日新聞連載時より大幅に加筆修正をし、ダイナミックに一新! 著者3年ぶりの単行本。

内容説明

一年ほど前からそいつは京都の街に現れた。虫喰い穴のあいた旧制高校のマントに身を包み、かわいい狸のお面をつけ、困っている人々を次々と助ける、その名は「ぽんぽこ仮面」。彼が跡継ぎに目をつけたのが、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをすることが唯一の趣味である、社会人二年目の小和田君。当然、小和田君は必死に断るのだが…。宵山で賑やかな京都を舞台に、ここから果てしなく長い冒険が始まる。

著者等紹介

森見登美彦[モリミトミヒコ]
1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院修士課程修了。2003年『太陽の塔』で第一五回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説家デビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞、10年『ペンギン・ハイウェイ』で日本SF大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

710
森見登美彦の作品は10作目だが、私のランキングでは本作が最下位である。2009年6月~2010年2月に朝日新聞(夕刊)に連載されていたらしいが、これでは次作の依頼も来なかったのではないか。新聞連載ということもあり、登場人物たちは漱石のそれのように自由に作品内で動けばいいと思うが、それにしても構想そのものがなさ過ぎる。作者までが「怠け者」のままに踏み出したのでは作品を成功には導けないだろう。したがって「ぽんぽこ仮面」は所詮は思いつきのままに終わることになったのである。宵山の怪だけで押し切るには無理がある。2021/08/23

seacalf

612
筋金入りの怠け者とチャキチャキとした働き者、混沌と愛らしいもの共が京都を舞台に織り成す、壮大なるへんてこものがたり。もはや言うまでもない、今や皆が知ってる森見節に身を委ねる気持ち良さ。盛大に腑抜けた休日を過ごしたいと思う時に読むにはぴったりだ。この脱力感漂う魔界じみた雰囲気へ引きずり込む話術はもはや達人の域。初めて読む方は小理屈の多い、それでいて緩みきった森見ワールドに戸惑うかもしれない。まずは無類の面白さを誇る『夜は短し~』を読むべし。ああ、座布団の山に埋もれて眠りたい。なむなむ。2017/04/02

へくとぱすかる

542
京都の住人にとっては、街並みが脳裏に浮かぶような、リーダビリティ抜群な小説。しかも宵山の夜が舞台である。祇園祭よりも「ぽんぽこ仮面」(笑)。登場する謎の秘密結社らしい組織が笑える。登場人物もみんなクセのある人たちだし、作者が頻繁に登場するので、笑えることうけあい。これは最高の戯作だ。「テングブラン」が呑みたいけど、作中よりもさらに幻の存在。惜しい。2019/06/11

kishikan

403
我が家は朝日新聞を購読しているのに、ほとんど新聞を読まない私は、今から4年前にこの「聖なる怠け者の冒険」が連載されていたとはつゆ知らず、我こそが「怠け者」ではあるまいかと後悔しているのでした。と、弁解はさておき、この本は2009年から10年にかけて朝日新聞に連載された同作品を全面改稿したものだそうだが、見彦氏のあとがきを読むまでもなく、「宵山万華鏡」と「有頂天家族」が色濃く反映され、この両作品が大好きな、そして主人公である小和田君同様、真の怠け者である私としては言うまでもなく、この本もまた大好きになった。2013/08/30

射手座の天使あきちゃん

394
復活の狼煙となる「モリミー」の新作 爽やかで好感度Maxの登場人物、スッキリ洗練された筆運び、「おっ、一皮むけたな」と思わせる… ところは全くなく「グダグダ」、阿保全開の物語である。 舞台は祇園祭の宵山、人助けに命を懸ける正義の味方「ポンポコ仮面」と一人の怠け者の破天荒な48時間のドキュメント 「読みたいならば我が輩の本を掴むがよい。 まともな人をも迷わせることが、我が輩の仕事ではなかったか? By モリミー」(笑)2013/11/24

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