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内容説明
DV、うつ、虐待…。別れた夫との修羅をひきずり、子どもとの生活のため、そして行き場のない寂しさから出会い系サイトで売春するシングルマザーの壮絶な性と生。
目次
第1章 売春に至る凋落
第2章 売春婦にもなれず
第3章 絶対的に持たざる者
第4章 残酷な類型化
第5章 福祉を「拒絶」する母
第6章 出会い系での売春事情
第7章 隠れ破綻と不正受給
第8章 欲望と貧困のはざまで
第9章 母
著者等紹介
鈴木大介[スズキダイスケ]
1973年生まれ。「犯罪者側の論理」をテーマにアウトローや触法少年少女の最新事情を探り続ける取材記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まる
61
窓口の“お役人”として日々色々思うところはあるのですが、下手なことは言わないとして。この人たち、もしこれで妊娠したらけろっとした顔で児童扶養手当増額に来るんだろうな…と思っていたら半数以上が受給していない、と。それは受けても良いんじゃないかな。確かに申請に向けて色々聞くけど、そこそこな金額なんだから。何にせよ子供のことを一番に考えて行動してほしいと思います。育児放棄をしていない分、この人たちは真面目なのかもしれない。何が子供にとっての一番なんだろう。2016/03/22
どんぐり
43
本書に登場するシングルマザーは、離婚、そして貧困と人生の負のスパイラルのなかにあって、地域社会からの差別を気にして福祉に頼ることもできず、出会い系で逢った男たちからお金を援助してもらい、お礼にセックスをする女性たちである。彼女たちに共通するのは、寂しがり屋で、自己肯定感を喪失し、孤立していること、そして自分の子どもに対する溺愛ぶりだった。売春に至るか至らないかの最後のセーフティネットは、「帰れる実家、頼れる親・親族」であった。売春をするシングルマザーは、日本の貧困の最底辺にある。シングルマザーへの支援は、2014/06/05
さなごん
35
シングルマザーの貧困について知りたくて図書館本。売春ってそんなに簡単なものじゃない。でも、彼女たちは貧困の中で子どもを手放さないために、誰かとつながるために、でも商業売春ではできないから出会い系に行く… ネグレクトなら施設に入った方がいいのでは?と思うけど、親は手放したくないんだな。どっちが子どもにはいいんだろう。この人達はどうしたら救われるのだろう。2015/07/05
えちぜんや よーた
28
本書に登場する女性やその元夫の職業が気になりました。製造業従事者や、介護職であったりする人が多いです。いずれも付加価値(売上高‐売上原価)が他産業と比較して低下傾向にある業種のような気がします。生活保護受給への注目が集中するのは、「一人あたりの労働生産性」(付加価値÷労働人員)と「生活保護受給額」の相対比が近いからと感じます。日本人の「一人あたりの労働生産性」(付加価値÷労働人員)について考えさせられます。前者が後者と比べて高くなれば、「ベーシックインカム」の議論が進むのではないのかな?2012/07/20
もちもちかめ
25
一歩位しか違わない恐怖。と思いきや、生活保護も自己破産も民生委員もボランティアも水商売も、はてはプロ売春婦に徹することも全部拒否しての出会い系。著者が前書の後書きに書いていた、どうしようもない犯罪者にすらなれない刑務所常連組、語る言葉すら持たない人びと、なのかな、と思う。頭が悪すぎて、人の気持ちすら分からないため、いつ裏切るか分からない危険な連中…いつかそういう人たちを取材したいとか書いてあったと思う。これか?違うかも。2017/01/11