欲望のゆくえ―子どもを性の対象とする人たち

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022505019
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0036

内容説明

子どもを性の対象とする人たちがいる。私が初めて遭遇したのは、小学校に入学したばかりの春だった。今となっては誰だったのか、知る術もない。ならばせめて、「子どもを性的に見る」とはどういうことなのか知りたい。こうして取材は始まった。彼ら一人ひとりの生き様と苦悩を追ったルポルタージュ。

目次

第1章 少女への想いを文学で昇華させる会社員
第2章 幼女を性的に描く漫画家
第3章 男児に加害し、相互援助グループに通う男性
第4章 “理想の子ども”を空想する元教師
第5章 二次元の少年にだけ萌える女性漫画家
第6章 「ジュニアアイドル」を取り巻く大人たち
第7章 少年タレントを応援するファンたち
第8章 わいせつ行為を繰り返し、服役中の男性

著者等紹介

香月真理子[カツキマリコ]
1975年、福岡県生まれ。西南学院大学神学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、2005年からフリーランスライターに。『ビッグイシュー』『散歩の達人』に執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

31
自身も幼い時に性暴力の被害に遭った著者による、「どうしてもその動機が知りたい」という必死の気持ちが伝わってくるルポです。ここで勉強になったのは、犯罪(強制わいせつ等)=警察管轄、アディクション(特定の性刺激への依存症)=厚生労働省管轄という区分。犯罪者をより詳しく観察・調査し、抑制あるいは予防が可能ではないだろうか、と希望を見出そうとする章には将来性を感じました。ジャーナリストではなく、社会学者による考察や調査がないのか調べてみたい。2019/05/01

牧神の午後

10
筆者も幼少時に「性の対象」とされた経験があったらしいけど、この本を書くのが辛くなかったのだろうか?19:28の魔法少女に合法的に萌えたりしてる自分から見ても、読むのに努力を要するレベルの気分の悪さを感じる部分があったくらいなんで、書いた側の心労を慮ると、とそれだけで尊敬。とはいえ、非実在青少年をめぐる議論に象徴されるようにこの問題を個人の価値観や気分だけで判断して良いわけでない、という難しさがある。少なくとも犠牲者を出さないことが出発点。そのために有効な手段は何かはもっともっと考えないといけない。2014/05/14

スナフキン

9
自ら幼少時に性被害に遭った著者が、小児性愛者に切り込んだ意欲作。 小児性愛者と言っても、ロリコンだけでない。男児が好きな成人男女もいる。また二次元限定の人もいる。いろいろだ。 著者は取材対象に寄り添うように話を聴いている。そのためか取材される当事者の口も滑らかだ。世間一般の常識とは異なり、彼らはモンスターなどではなく、どこにでもいる普通の人だという印象を受けた。 あと共通のしているのは罪悪感だ。彼らは自らの性癖に悩んでいる。そのため自助グループに通ったり、セラピーを受けたり、努力している人も多い。2020/07/16

7
いわゆるロリやショタといった小児性愛者たちの取材をまとめたルポ。著者自身が被害者だということだが、非常に淡々と描写される。ケーススタディとしては面白いが、小児性愛という心理的偏向の原因と更正という点に関しては、作中にもあるように百人百通りという現状のためか、筆が及んでいないのが残念。「こうすればOK」というような包括的更正方があると思い込むのも危険だが、個人的に小児性愛はBGLTとは別だと思っている。性犯罪が現実での不全感の代償行為というのは理解できなくもないが、いずれにしろ再発防止策の拡充は必須。2019/04/15

ネオ

6
よくここまで取材したと思う。2023/06/27

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