岩波アクティブ新書
戦下のレシピ―太平洋戦争下の食を知る

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 182,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784007000379
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0236

出版社内容情報

配給食材の工夫レシピから防空壕での携帯食まで,15年戦争下の婦人雑誌に掲載された料理記事は,銃後の暮らしをビビッドに伝える.「食」を通して「戦争」を考えるための「読めて使える」ガイドブック.再現料理もカラーで紹介.

内容説明

雑炊、すいとんだけではなかった戦争中の多彩なメニュー。米がない!食料がない!そのとき人々はどうしたか。日中戦争、太平洋戦争、敗戦までの食生活史を網羅。こんなものまで食べていた!究極の非常食を再現。戦争中の味がリアルに体験できるレシピ満載。写真で見る戦争中の暮らし。食べられる野草図鑑つき。「ぜいたくは敵だ」の時代の台所と食卓に迫る読めて使えるガイドブック初登場。

目次

1 昭和のモダンな食文化(戦前のレシピ)(農村の食と都市の食;婦人雑誌と家庭の料理)
2 総力戦は節米から(日中戦争下のレシピ)(料理にも大東亜共栄圏の影;節米料理ってなんだ ほか)
3 お台所の戦闘配置(太平洋戦争下のレシピ)(配給時代の食生活戦争;たんぱく源を結集させろ! ほか)
4 壮絶な決戦非常食(空襲下のレシピ)(戦争末期はサバイバル;いもとかぼちゃの下剋上 ほか)
5 戦争と食生活(焼け跡のレシピ)(戦下のレシピから見えるもの;なぜ戦争は食糧難を招くのか)

著者等紹介

斎藤美奈子[サイトウミナコ]
文芸評論家。1956年新潟市生まれ。成城大学経済学部卒業。児童書等の編集者を経て、94年近代文学評論『妊娠小説』(筑摩書房、ちくま文庫)でデビュー。以後、各紙誌で文芸評論や書評を執筆
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぱせり

15
「食糧がなくなることが戦争なのだ」という言葉は強く響きました。実際飢えて死んでいく人もいる。生き抜くためには、草の根まで、土を払ってそのままかじるような日々に、それでも、食は文化である、との姿勢が残っていることに、驚きます。この文化は一面奇妙奇天烈ですが、お気楽なものではなくて、壮絶な戦いでした。2010/10/04

Book Lover Mr.Garakuta

14
【図書館】【速読】:戦時下の食事に関する解説。困窮してたんだなと思う。2022/01/29

Shin

7
何故か妻が図書館から借りてきて、面白かったと薦めてくれた本。人間は、食べなければ生きていけない。その当たり前のことが脅かされるのが戦争なのだなと思った。なけなしの食糧とも言えないモノを食べられるようにする知恵は、勝ち目のない戦争を限界を超えて続けた愚かさと滑稽なまでのコントラストをなしている。国家レベルの過ちのツケを現場と家庭の犠牲と辛抱で乗り切るという構図は、節電騒ぎに終始した現代の日本も何ら変わることはない。色々考えさせられる思わぬ掘り出し物だった。2011/10/31

ことぶき あきら

6
戦争中は食糧がなかったといいますが、具体的にどんな状況だったのか、本書を読めばある程度分かるのではないでしょうか。盧溝橋事件あたりから終戦までの婦人雑誌を参考にしながら、戦下の食生活を解説しています。戦前の都会の食生活は結構豊かだったんですね。しかし戦争が激化するにつれ、代用醤油や代用砂糖、卵を使わない代用マヨネーズ…だんだん悲しくなってきますね。戦争の大部分は、物資の調達、運搬、配分といったいわば「お役所仕事」。日本政府と旧日本軍はそこを甘く見ていたと。岩波現代文庫から新版が出ています。2016/07/13

あらたま

6
手作り=母の愛というレトリックがこの頃の女性誌によって生まれたというのはなるほど。主食=米でプラス漬物くらいが一般的だった時代、食事に凝る発想はなかったし、それが母親(専業主婦という新キャラ)ということもなかった。富裕層は女中がいたし、農村では女性も労働力だから食事に手間なんかかけなかったと。共同炊事が始まった最初はカレーとか作ってたのに、4年経った末期は「良い重湯の作り方」みたいになってるの笑えない。うどん寒天やら興亜パンとか国策炊きとかひでえ時代があったもんだよ…。軍事輸送優先で食が犠牲になる。2015/04/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/524530
  • ご注意事項