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岩波現代文庫
胡同(フートン)の記憶―北京夢華録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032432
  • NDC分類 302.221
  • Cコード C0125

内容説明

北京の横町「胡同」。そこには庶民の生活が溢れている。鼻先に漂う食事の香り、子供の遊び声、老人たちの井戸端会議…。特派員として二度の滞在経験を持つ著者が一九九〇年代後半から二〇〇〇年代前半にかけて再開発によって消えゆく古い町並みを惜しみつつ、胡同に暮らす人びとの姿をレポートする。オリンピックを挟む十年間の北京の変貌を記した新稿を付す。

目次

六百年の古都―胡同を流れる時
暮らしがあふれだす道
胡同に住む人びと
忘れられぬ夜
火鍋子の白い湯気
古蘭経の流れる街
徐勇と『胡同一〇一像』
ある二十世紀の軌跡
独家新聞のさざ波
最高峰と隠れ里〔ほか〕

著者等紹介

加藤千洋[カトウチヒロ]
1947年東京に生まれる。72年東京外国語大学中国語学科卒業、朝日新聞社入社。北京特派員、論説委員、アジア総局長(バンコク)、中国総局長(北京)、外報部長、編集委員などを歴任。一連の中国報道により1999年度ボーン上田記念国際記者賞受賞。2010年より同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Keisuke Hosoi

2
自分が北京で最初に見たのは郊外の大学街だったので、なんと共産主義っぽい殺風景な街なのだろうと思ったが、実は東京同様(それ以上か)歴史のある街なのだと知った。著者が特派員だったこともあり中国政治のうねりの背景を中南海以外に求めたエッセイがちらほらある。全体として散文的でとらえどころはないが、中国が共産党の支配する人口的な管理社会であると同時に長い歴史と伝統と文化思想が各地に息づく国である(多分市井の歴史文化思想の厚い蓄積があったので文革からかくも早く立ち直ったと思う)ことを想起させる好著。2013/02/11

コホン

1
天安門事件の時に民主化がうまくいっていたら、きっと、中国は南シナ海に変なものを作ることはなかっただろうし、世界は今より平和だったに違いないと思いつつ読んだ。おまけに古いものを住んでいる人の意向を無視して壊していって、本当に中国共産党って嫌い。2015/05/26

s2013253

0
(BBB+)回想録のコラムとでもいった感じだろうか。中国の古い街中から見た風情がある。2013/07/19

ゐ こんかにぺ

0
ここ半世紀くらいの中国の今と昔。残るものも、変わっていくものも。旅行ガイドとしても◎。サブタイトルの「北京夢華録」という、まさにそのとおりだと思う。2012/10/23

敬介

0
筆者の加藤千洋氏(元朝日新聞記者)が80年代に北京語言学院に留学した際の体験記を高校生の頃に読んだ気がする。胡同の「記憶」というタイトルのとおり筆者の記憶にのこる北京の「原風景」をたどる随筆。北京は表通りしか知らないので、時に上海の里弄に置き換えつつ読み進んだ。筆者は最初に特派員として北京に暮らした1980年代半ばの北京を原風景とされている様だが、私も86年から87年の上海が原風景であり、わが意を得たりといった箇所多数。外国人がまだまだ特別な存在で、中国が全く垢抜けていなかった頃のあの国が懐かしい。 2012/05/25

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