岩波現代文庫
思想の折り返し点で

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032005
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0121

出版社内容情報

ベルリンの壁の崩壊前後におこなわれた2回の対談。戦後論壇の重要テーマや現代の論点を自由にそして熱く語り合う本書は、『現代日本の思想』『戦後日本の思想』の続編であり、2人の思想家への平易な入門書でもある。

内容説明

ベルリンの壁の崩壊前後に「朝日ジャーナル」誌でおこなわれた二回の対談。戦後論壇の重要テーマや現代の論点を自由にそして熱く語り合う本書は、久野・鶴見『現代日本の思想』と久野・鶴見・藤田省三『戦後日本の思想』の続編的性格をもつと同時に、この二人の思想家への平易な入門書ともなっている。

目次

1 思想の折り返し点で(リベラリズムの系譜と不在;歴史悪をめぐって―イデオロギーと権力;戦後日本―共有すること・受け継ぐこと;自分はどこに石を置くか―考える力と生きる力;個人的・市民的不服従の水脈)
2 根に向かう精神(自浄作用としてのペレストロイカ;異議申し立て、そして文体について;「社会主義」の源流―ライフスタイルが中心なのだ;日露戦争以後、原理・原則が落っこちる―いまは「手続き」問題ばかり;「まともさ」の感覚について;未来について)

著者等紹介

久野収[クノオサム]
1910‐1999年。京都大学哲学科卒

鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922年生まれ。ハーバード大学哲学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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踊る猫

29
アカデミシャンが得意とする、快刀乱麻の論理の切れ味で森羅万象をたたっ斬りなんでもかんでもチャート化してしまう論述の「真裏」「対極」の会話が展開されていると感じた。つまりあえて(深い思索をくぐり抜けた上で)「庶民になじむ」言葉を選び、論理と同時に鍛え抜かれた直感と人間性を信頼してそこから思考を立ち上げる。ぼく自身、彼らのすべてに賛同するつもりはない。だが、大筋で彼らはこの日本の独特の言論の風土を見据えて大事なことを的確に・平明に語っていると受け取る。「芯の強さ」と「すぐ目先の文化に反応する感受性」が両立する2024/04/17

kousuke456

1
本書は八十年代の末期に行われた対談をまとめたもの。鶴見俊輔の対談本を立て続けに三冊(岡部伊都子・上坂冬子・久野収)読んで思ったことは、鶴見さんの他人の意見を聞く姿勢はとても寛容で、頭ごなし否定したりは絶対にしない人だなということ。本書にも(とくに知識人と言われる人たちの間での)「聞く文化」の衰退ということが話題にあがっていて興味深かった。僕は読んでいないが阿川佐和子さんの『聞く力』という本が今年(2012年)の年間ベストセラーとなったそうだ。残念ながら「聞く文化」の衰退は更に深刻化しているように思われる。2013/01/01

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