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岩波現代文庫
デジタル・ナルシス―情報科学パイオニアたちの欲望

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  • サイズ 文庫判/ページ数 281p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006031763
  • NDC分類 007.2
  • Cコード C0136

内容説明

携帯電話、Eメール、ブログ、検索エンジンなど情報科学の成果は、いまや私たちの生活に欠かせないものとなった。パイオニアたちは、何を考え、どのような欲望をもってこの新しい学問を成立させたのか。偉大な業績の陰に隠された人生の悲喜劇を暴き出し、人間の欲望を限りなく肥大させる「第三の性」としての情報機械の魔力を問題提起する、刺激的な現代文化論。

目次

1 ゴーレムはよみがえった―ジョン・フォン・ノイマンのユートピア
2 機械との恋に死す―アラン・チューリングのエロス
3 階差に神はやどる―チャールズ・バベッジのロマン
4 通信路は絶たれた―クロード・シャノンのダンディズム
5 メタ・パターンを舞い踊る―グレゴリー・ベイトソンのアクロバット
6 巨人は遅れてやってきた―ノーバート・ウィーナーのクルーセイド
7 デジタル・ナルシス―機械は第三の性

著者等紹介

西垣通[ニシガキトオル]
1948年東京生まれ。東京大学工学部卒業。工学博士。専攻は情報学・メディア論。日立製作所、明治大学を経て、東京大学大学院教授。『デジタル・ナルシス』(単行本)でサントリー学芸賞(91年芸術・文学部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひらぱー

1
著者が、過去の情報科学に携わった偉大な科学者たちを批評しながら自分の考えを開陳していく感じかな。偉大な科学者たちの人生や業績の要約は役に立った。著者の批評が適切なのかは怪しい。2010/04/04

MrO

0
デジタルネイティブに限らず、スマホの画面ばかり見ている我々が、どこに向かおうとしているのかをふと思い、顔を上げたときに読んでみたくなる本だ。書かれたのが、1991年ということで、その後の情報機器の爆発的な普及は論考の視野にない。それどころか、最終章を除けば、バベッジとか、昔の人の話ばかりで、華やかさはない。しかし、それが顔を上げて、前を向くということなんだと、読み進むうちに納得してくる。実は、まったくの勘違いから読み始めた本なのだが、良書との出会いとはこんなものだと感じた。2013/11/07

深海の懐中時計

0
情報テクノロジーはとかく「透明でクリーン」というイメージを持たれがちだ。しかし本書は、情報科学の先駆者らの人生を陳腐な「偉人」像から引き離し「生身の人間」の生として捉えなおすと同時に、我々の欲望、性、狂気といった暗い領域と「クリーンな」テクノロジーとの密接な繋がりを暴いて行く。著者の論の運びは分かりやすいうえ非常に鋭く、今日のSNSの興隆、管理社会化から、果ては「萌え」や初音ミクのような存在までも見通せるような視線を提供してくれるように思う。また文章の構成が上手いうえに言葉の表現も刺激的。これぞ名文だ。2013/09/24

mym

0
情報科学に携わった偉人たち。情報をどう捉えるか、それには捉える側に大きく依存する。それは現在の情報科学をつくった者たちの場合でも例外ではない。情報とは何なのか。機械とは。人間とは。その境界とは。情報科学が進歩したと思われている現在においても解決していない問題。これが著者のいう「情報学」。2010/02/14

pddk

0
10年以上前の本なのに、ここで言及されている内容は現在にもリアルにあてはまる。最終章ちゃんと読み直そう。2009/06/08

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