内容説明
レコードから見た日本近代史。明治期「蘇音器」と訳されたフォノグラフの導入から始まり、国産蓄音機の開発、大正から昭和にかけてのレコード業界の高成長と各社間の抗争、ヒット曲の誕生とマスセールスの成立、戦時期の検閲の強化と愛国歌謡の募集、戦後のレコード業界の再建の様子が描かれる。LP、CDの登場、オーディオ機器の革新、音楽のネット配信なども詳述。
目次
1 近代を告げる音
2 国産化の道
3 視界ゼロ時代
4 対立と抗争
5 音の大衆化
6 破局への道
7 音の追求
著者等紹介
倉田喜弘[クラタヨシヒロ]
1931年大阪市に生まれる。54年大阪市立大学経済学部卒業後88年まで日本放送協会勤務。近代芸能史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カットマン
0
結構読みでがある。戦前の新聞の膨大な資料を調べ上げることで、当時の人々の考え方が生き生きと蘇ってくる。日本の音楽のことをずっと考えているので、非常に勉強になった。とても読みこなせたとはまだ言えないけれども。2016/05/07
unterwelt
0
日本にレコードが入ってきてどのように産業として発展し庶民に普及したかを、当時の新聞などを調査して語っている。レコード文化史と書名にあるが、最後の方では簡単では違法ダウンロードや音楽配信にも触れている。音楽の聞かれ方を考える際には音楽を聞く媒体(レコードからCD、配信へと)や技術の発展や流通というものを踏まえないといけないという事が分かる。2024/05/11