出版社内容情報
ロールズの『正義論』をわかりやすく紹介し,具体的な事実に即して現代社会における自由と寛容を考察する.個よりも共同体を優先する共同体主義と対決し,さまざまな個人の自由の成立について論じる「多様性の倫理学」の試み.
内容説明
ロールズ『正義論』をわかりやすく紹介し、ロックやJ.S.ミルの政治哲学とからめながら、国家、民族、文化が錯綜する現代社会の自由と寛容を考察する。不平等問題、宗教、同性愛、任娠中絶などの具体例を挙げて個よりも共同体を優先する共同体主義と対決し、さまざまな個人の自由の成立を論じる「多様性の倫理学」の試み。
目次
1 リベラリズムの政治哲学(ユートピア論的な開始;正義のシステム;現代批判としての正義論;共同体論を超えて;宗教とリベラリズム;セックスとリベラリズム;国際関係とロールズの正義論)
2 寛容の時代へ(近代の不寛容;「他者」の学習;多様性の倫理学;「受胎告知」の政治学;寛容の時代へ)
著者等紹介
土屋恵一郎[ツチヤケイイチロウ]
1946年東京生まれ。明治大学大学院法学研究科博士課程単位取得。明治大学法学部教授。イギリス哲学を基盤に、現代の倫理学の構築を目指す法哲学者。能、歌舞伎、舞いなどのドラマ性を思索の源泉としている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。