岩波現代文庫
赤い月〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006023089
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

ソ連軍の侵攻に遭い森田酒造は倒産.子どもを抱えハルビンに逃げた波子のもとに,恋仲だった氷室が現れる.

内容説明

ソ連軍の侵攻と現地人の暴動に遭い、酒造は倒産。波子は幼い二人の子どもを抱えハルビンに逃げたが、すべての金品を奪われ、再会した夫の勇太郎は強制労働の果てに病死。避難所で波子のもとに現れた恋仲だった氷室は阿片によって廃人同然になっていた。引揚げが始まり、波子の看病で恢復した氷室は現地で日本人難民の帰還に奔走する。映画・テレビドラマ・ラジオドラマ・舞台上演などがなされた著者の代表作。

著者等紹介

なかにし礼[ナカニシレイ]
1938年、中国黒竜江省牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。シャンソンの訳詞家を経て作詞家。レコード大賞三回、同作詞賞二回、ゴールデンアロー賞など受賞歴多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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タイコウチ

6
文庫化された際に購入したまま積読になっていたものを解凍。2001年に刊行された自伝的要素も含まれる満州国の崩壊を経験した家族の物語。著者に重なるのは敗戦時7歳の公平という男の子だが、主人公は圧倒的な生命力で子どもらを守り、生き延びる母波子だろう。「国家だけが一人化け物になるわけではない。国民も一緒になって小さな化け物になっていくのだ(…)それが愛国心のからくりだ」というのは、波子と数奇な縁で結ばれる軍人の言葉。戦後の兄との葛藤を描く『兄弟』(傑作)に比べると、映画・ドラマ化を意識した文章という印象がある。2023/08/31

kimoiue

1
戦争をやるなら絶対に勝たなければならない。日本は未来永劫敗戦国のままでいなければならないのかなぁ。辛いものがある。2021/02/07

ヤマキチ

1
中学生の時に、少女の目を通して満洲を描いた『二つの国の物語』(赤木由子、理論社)を読んで以来、満州を舞台にした小説に自然と手が伸びる。理由の一つは極限状態でこそ見えてくる人の心の本質に吸い寄せられてしまうから。本書も然り。2020/01/08

Ujo Eve

0
☆☆☆2020/12/24

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