出版社内容情報
世話物・時代物の観かた,踊りの魅力など,俳優の視点から歌舞伎鑑賞の「ツボ」を伝授.知的で洗練された語り口で芸の真髄を解明.
内容説明
世話物・時代物を観るための知識、踊りの魅力、荒事・和事の愉しみ方、復活狂言・新作の面白味などを、実際の演目に即して明快に説き明かす。役者としての体験に裏打ちされた解説は分かり易く、なるほどと膝を打つこと請け合い。演じる喜び・役作りの苦労から、舞台での思い出、楽屋のよもやま話まで、興味深いエピソードも満載。
目次
第1章 世話物は、二十一世紀に生き残れるか
第2章 踊りの家に生まれて
第3章 時代物の噛みごたえとその深さ
第4章 荒事と和事
第5章 鶴屋南北、泥臭い人間の言葉
第6章 通し狂言と新作の可能性
第7章 三津五郎おすすめの芝居
第8章 歌舞伎役者と芸の伝承
第9章 歌舞伎よもやま話
著者等紹介
坂東三津五郎[バンドウミツゴロウ]
十代目。1956‐2015年。歌舞伎役者・日本舞踊坂東流家元。九代目坂東三津五郎の長男として東京に生まれる。62年『黎明鞍馬山』の牛若丸で初舞台、五代目坂東八十助を襲名。01年、十代目坂東三津五郎を襲名。06年に日本芸術院賞、09年に紫綬褒章など受賞多数
長谷部浩[ハセベヒロシ]
1956年埼玉県生まれ。演劇評論家、東京藝術大学美術学部教授(近現代演出史)。紀伊國屋演劇賞審査委員。現代演劇・歌舞伎を中心に評論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
犬養三千代
7
つくづく早世が惜しまれる。関西に来られることがそんなに多くはなかったがこの20年ばかりは見てきた役者さん。語られている演目は馴染み深くその場面を思い出し、もう一度DVDでみようと思い「名月八幡祭」を見た、。ため息、。、。2019/04/10
筋書屋虫六
3
単行本を買おうと思っていたら文庫本になってた。今年2月に亡くなった三津五郎丈の歌舞伎案内。「歌舞伎のこともっと知りたいけれど、入門書では飽きたらず、教科書みたいな研究書を読みたいわけじゃない」そんな中級者には最適で、かつ、読み応え充分の1冊。「踊りの愉しみ」も面白かったけど、こちらも!!役者の視点から舞台の奥にある世界を垣間見せていただき胸躍る。長谷部浩さんの聞き出し力もあるとは思うけれど、とても読みやすい。知りたかった内容・構成で説明も巧い。三津五郎さんという人はとても明晰な人だったんだと強く感じる。2015/08/24
ichiteru
2
三津五郎さんの生の歌舞伎を見たかった。シネマ歌舞伎で見る勘三郎さんとの棒しばりは最高でした。2016/04/29
石橋
1
こんなに熱く歌舞伎の歴史やこれからの展望を語ってくれた人が今はもういないと思うと絶望的な気持ちになる。しかし伝統芸能とは、そもそも普遍的意味があるからこそ引き継がれるのだと思う。次世代がその普遍をどう表現するのかを見続けたい。 2019/03/04
夢仙人
1
江戸世話物を見てみよう。2017/06/11