岩波現代文庫
終末と革命のロシア・ルネサンス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 414p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021504
  • NDC分類 702.38
  • Cコード C0170

内容説明

二〇世紀初頭のロシアで起きた一大文芸復興運動。そこには、世界のモダニズム芸術の原点ともいえるロシア象徴主義からロシア・アヴァンギャルドへいたる激烈な文化変容のプロセスがあった。本書では、この運動に参加した詩人マヤコフスキー、演出家メイエルホリド、画家マレーヴィチ、作曲家スクリャービン、映画監督エイゼンシテインら十二人の芸術家をとりあげ、ロシア文化の根源に息づく「終末」への待望と「革命」への熱狂の意味を掘り下げる。

目次

序論 ロシア・ルネサンスとは何か?
1 終末のビジョン一八九〇~一九一〇(終わりを待ちながら―ベールイの青春;転落と再生―ブロークの『見世物小屋』;デーモンとしての自画像―ウルーベリの世界;火の浄化―スクリャービンの詩学)
2 四次元の革命一九一〇~一九二〇(数とエクスタシー―フレーブニコフの時空間;外化するナルシシズム―マヤコフスキーの仮面;掴奪の技術―変貌するメイエルホリド;ゼロの国家―マレーヴィチのレーニン崇拝)
3 革命のエピローグ一九二〇~一九三〇(孤児たちのユートピア―プラトーノフの革命;錯視のポリティクス―ロトチェンコの遠近法;切断と欲望のオペラ―ショスタコーヴィチのアイロニー;根源の亀裂―エイゼンシテイン『ベージン草原』の悲劇)
第二の「誕生」―「現代文庫版あとがき」にかえて

著者等紹介

亀山郁夫[カメヤマイクオ]
1949年栃木県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京外国語大学長。専門はロシア文学・ロシア文化論。著書に『磔のロシア』(岩波書店、第二九回大佛次郎賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

10
ロシア・アヴァンギャルドになる前のロシア・ルネサンスの芸術家の思想(ヴィジョン)とやがてロシア革命にに飲み込まれて体制派に拘束されていくまでの1890~1930年頃までの芸術家や作家のプロフィール。ロシア正教(東方のキリスト教)が根本にあるのか。2018/04/29

tsubomi

5
2014.02.25-04.04:様々なロシアの表現者たちを取り上げた本書の中で私が以前から知っていた名前はショスタコーヴィチのみ。でも、もともとバレエ音楽やロシアン・アヴァンギャルドの時代に興味があったせいもあるのか、とても面白く読了。刺激的な内容と表現方法の小説、映画、絵画、写真、音楽などなど、一度実際の作品を見てみたい!と思うものばかりでした。そして革命への熱狂と冷却、為政者との関係上、二枚舌を使わざるを得なかった者、自己を抹殺することで二枚舌を使わなかった者、人生と運命の不思議にも圧倒されます。2014/04/04

保山ひャン

2
19世紀末から20世紀初頭をロシア・ルネサンスととらえ、ベールイ、ブローク、ヴルーベリ、スクリャービン、フレーブニコフ、マヤコフスキー、メイエルホリド、マレーヴィチ、プラトーノフ、ロトチェンコ、ショスタコーヴィチ、エイゼンシテインを取り上げる。ロシア革命がスターリン独裁で息の根を止めるまで。マヤコフスキーの位置づけもわかったし、ソロヴィヨーフの重要性もわかった。ロシア面白い!2017/03/13

みかん

1
ヴルーベリだけ気になって借りたけど、スクリャービンやらはてはレールモントフの仮面舞踏会の話まで、世紀末ロシアの「終末感」を掴むには素敵な本であった2016/06/20

datemaki

0
私事で恐縮だが、山形を旅行中、市街地の美術館でやっていたロシアアバンギャルド展の強烈な印象が忘れられない。戦艦ポチョムキンのポスターは有名だが、その他にも素晴らしい作品群が綺羅星の如く居並んだ時代、それがロシアアバンギャルドだ。輝かしい共産主義の未来、新しい労働、新しい生活、新しい科学、新しい芸術、全てが渾然一体となって来るべき世界へ向かっている、そんな黄金時代がロシアにもあったのだ。

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