岩波現代文庫
日本の放浪芸 オリジナル版

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  • サイズ 文庫判/ページ数 407p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021054
  • NDC分類 779
  • Cコード C0176

内容説明

一九七〇年代、著者は万歳、絵解き、舌耕芸、香具師の口上や猿回しなど消滅しつつあった諸芸を記録してまわる仕事に取り組んだ。また万歳の門付けを体験し、河内音頭、山伏神楽、盲僧の琵琶、大衆演劇などを訪ね歩いた。本書は民俗芸能史の貴重な資料であり、放浪芸探索の旅は新劇俳優としての自らのルーツを確認する旅であった。

目次

1 日本の放浪芸―小沢昭一が訪ねた道の芸・街の芸
2 放浪芸をひとまず訪ね終えて
3 万歳の門付体験記
4 正月の祝い芸と「信仰」
5 諸國藝能旅鞄
6 舌耕芸―香具師の場合
7 お金に換える芸能
8 節談説教の魅力(インタビュー)
9 『日本の放浪芸』始末書

著者等紹介

小沢昭一[オザワショウイチ]
1929年東京に生まれる。49年俳優座養成所入所。52年早稲田大学文学部仏文科卒業。舞台、映画、テレビ、ラジオで活躍するかたわら、60年代後半より日本の放浪芸の調査に携わる。82年劇団「しゃぼん玉座」を結成、主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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chanvesa

22
「これが滅びると残念だという感傷は誰かにまかせ、僕は滅びるものに取って代るものを創り出したい。」(375頁)まだ四十代の小沢さんの野心とも取れるが、ディスカバリー・ジャパンというキャッチへの疑問がところどころ出てきている。ただ単に古い価値をありがたがること、懐かしがることへの反発だったのかもしれない。小沢さんの芝居は残念ながら見たことない。だけど「小沢昭一的こころ」では、放浪芸の語りは血と肉になったのであろうことがわかる気がする。病気で引退を考えていた永六輔さんに「辞めちゃダメ」といった小沢さん。2016/07/18

浅香山三郎

1
1970年代といふ、日本の生活水準・風景の変はり目に著者が採録した藝能の記録。昔、著者言ふところの、「伝統藝能」を随分と見、或は、伊勢大神楽の結社の拠点の近くに住んだこともあり、特にその部分を興味深く読む。香具師の売り口上やら、テクニックについても、詳しく聞き書きされてをり、物を売り買いすることに具体的な人が介在しなくても良くなつた現代が味気なくもある。小沢さんの本は、『私は河原乞食・考』、『芸人の肖像』についで3冊目。2015/11/23

bittersweet symphony

0
未読本棚より追悼読了。小沢昭一さんが70年から76年にかけて(40代前半から半ばということになります)日本各地の放浪芸を訪ね歩いて録音した際の、文字起こし・ライナーノートとそれに関連する同時期の文章をまとめたもの。音源のほうは99年にCD化されています(個人的には未聴)。収録当時にすでに絶滅状態にあった門付などの各地の放浪芸能が今現在どうなっているのか、については後フォローが欲しいところではあります。2013/01/17

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