感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほたぴょん
2
たしか平野謙が「あの筆の遅い本多秋五がこの大部の本を書いた」ということへの賛辞と驚きを書いていたと思う。それは本多の腰の座った姿勢があってこその文業という賛辞であったであろう。著者はこの上巻の中でも、一直線に結論を目指すのでなく螺旋を描きながら最終的に目指していた方向に進めば良いと思っている、という意味のことを書いているが、その焦らない姿勢は文芸評論の分野では貴重である。それはともかく、早く続きが読みたいのだが、中巻と下巻を買い逃しているみたい。忘れないうちに買ってしまおう。2014/03/21