出版社内容情報
アイヌに生まれ,宣教師ジョン・バチェラーの養女となった八重子は,同胞(ウタリ)を思う悲しみを短歌に綴った.本歌集は,新村出,佐佐木信綱,金田一京介が「序」を寄せて,昭和6年に刊行された.中野重治の評論,長文の解説を付す.
感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
71
#バチェラー八重子 #短歌 #tanka 美くしきあまたの人は花のごと園生につどひ笑みつつ行きかふ #返歌 美しく静かな園生花々と見知らぬ人と笑みつつ行き交う 村井紀の解説に、与謝野晶子の欧州での歌と、バチェラー八重子の欧州での歌に遜色がないことを示そうとしているのは興味深い。相当な晶子のファンというほど与謝野晶子の歌を読んだわけではないが、1回目はほとんど識別できたが、2回目に読んだときに、前の記憶の欠片がじゃまして頭が混乱していた。 #解説歌 欧州に出でし八重子と晶子歌高鳴る心晴れやかな眼差し2016/01/08
藍鼠
2
アイヌ語日本語混交文の、短歌。彼女と知里幸恵さんしか読んだことのないわたしにとって、アイヌの文学はかなしみにつらぬかれている。2010/06/11
Satoshi Kitazawa
0
國も名も 家畑まで うしなふも 失はざらむ 心ばかりは という歌が一番心に響いた。 やれ北方領土だ返せだなんだいうけれど、 大国の論理に蹂躙された、アイヌの人々の境遇に、感涙を禁じえない。2018/11/24