出版社内容情報
定点から観測し，文化を客観的に記述する従来の民族誌．だが，新しい民族誌家はエキゾティックなものに出会う荒野へ赴き，移動しながら異文化との相互作用を物語的に記す．民族誌の可能性を大きく切り拓いた斬新な試み．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みねたか
7
1989年の著作。身体感覚で体感した文化の有り様が学問上の知見とする際、分析，定型化などにより変質してしまう。 生き生きとその体感を活写するために，「視覚以外の感覚の進入を自由に許す」新たな形の探求を「新しい旅」として，読者に提示する。時には，音楽，時には詩という形で表現された事象を通して。全編を読んでから１，２章を再読。著者による「新しい旅に拮抗する強い言葉は生まれただろうか？」という３０年前の問いかけに答える力はないが，新鮮で，充実した読書体験でした。2016/02/12
