岩波現代文庫<br> 歴史を哲学する―七日間の集中講義

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岩波現代文庫
歴史を哲学する―七日間の集中講義

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  • サイズ 文庫判/ページ数 233p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006003425
  • NDC分類 201.1
  • Cコード C0110

出版社内容情報

「歴史的事実」とは何か? 科学哲学・分析哲学の視点から「歴史」についての哲学をリアルな講義形式で語る,知的刺激にあふれた本.

内容説明

過去の事実はどのようにして知ることができるのか。私たちは過去を想起し、その痕跡から歴史的事実に迫ろうとするが、そのとき唯一の客観的な「歴史的事実」とは何であるのか。「歴史の物語り論」「歴史修正主義論争」など歴史認識の問題を、科学哲学・分析哲学の立場から、七日間の講義という形式でわかりやすく解説する。現代文庫版では、「補講2」として歴史学者・遅塚忠躬の「歴史の物語り論」に対する批判にこたえた反批判も収録。人文科学の在り方を問い直す、知的刺激に満ちた本。

目次

第1日 歴史哲学と科学哲学
第2日 歴史認識をめぐる論争
第3日 出来事としての歴史/記述としての歴史
第4日 歴史における説明と理解
第5日 歴史の物語り論(ナラトロジー)
第6日 過去の実在
第7日 歴史記述の「論理」と「倫理」
補講1 過去の実在・再考
補講2 「歴史の物語り論」のための弁明

著者等紹介

野家啓一[ノエケイイチ]
1949年宮城県生まれ。東北大学理学部物理学科卒業。東京大学大学院科学史・科学基礎論博士課程中退。東北大学文学部教授、同大学文学部長、同大学理事・副学長を歴任。東北大学名誉教授。現在、東北大学教養教育院総長特命教授。専攻は哲学・科学基礎論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

15
我々にとって意味や価値とは一体何なのか。解釈学→現象学、特にフッサールにおける『志向的構成』という考え方に依拠して、歴史を語るという行為を考察している本です。『語り口』は平易なものの、ピンとこないと難解に感じるかも知れません。解釈学というと、筒井康隆「唯野教授」を思い出しますが、分析哲学からの問題意識だというのは、冒頭の意味や価値の探究だということからも分かります。歴史が『語り』になってしまうのは、超越的な視点を持ちえないため、客観性をも持ちえない。さらに過去の出来事は知覚できない。我々は歴史の内部(一部2018/01/14

ネムル

14
科学哲学の側から、歴史を物語る倫理より論理が主に考察される。そこにやや不満を感じもしたが、歴史の歪みを補正するのでなく、公共化された記述の歪みを自覚・分析するための、土台作りとし読む。繰り返し描かれる時間のアナロジーがどこまで妥当か、いまだ語られず公共化されない歴史がどれ程あるか疑問はつきないが、まずはここから。2019/05/17

Bevel

6
第一に、フッサール的な志向性の構造がある。つまり、「物語る」という動詞を、歴史の「痕跡」、その記述(歴史の探求)、その存在(出来事そのもの)の三項関係の中で考察し、記述と存在の「循環関係」を付け加える。第二に、その循環関係は、「私秘性は存在しない」という言語哲学に関する仮定により間主観性を持った言語的な場となる。これが、野家の歴史的事実に関する反実在論のもっとも単純な骨組みかなと思う。歴史的真理は、個別的な整合性のタイプによって物語的真理と区別されることになる(合理的受容可能性)。2017/01/16

nranjen

5
歴史哲学の本。歴史とは物語る(ナラティヴであり、この本では「物語り」として表記されている)ことによって、コンテクストに置く、出来事を記述し語る言語行為からなるという立場が主張されている。講義形式で噛み砕かれていて非常にわかりやすい。この考え方だと、歴史的事実があるという従来の見方と異なり、歴史自体語るものの立ち位置(どのような場面で誰に向かって語るか)を必然的にもつことが説明できる。一番印象に残ったのは冷麺。2020/12/12

さとうしん

4
歴史はよく言われるような「物語」ではなく「探究」であるという観点から論じられる歴史哲学論(だと思う)。過去の出来事はそれを確認する方法に応じて姿を現すものであり、「探究」の手続きと不可分であるであるという主張自体には納得できるものの、こういう方向で本書の「第2日」で議論されている歴史認識の問題に対処できるのかという不安も残る。2017/04/27

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