岩波現代文庫<br> 明治維新を考える

岩波現代文庫
明治維新を考える

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006002749
  • NDC分類 210.61
  • Cコード C0121

出版社内容情報

明治維新はなぜ起きたのか.維新をめぐる三つの謎――武士の社会的自殺,大きな原因の不在,復古による開化という矛盾――を探究し,歴史の中の激変を理解する枠組を提示する.また,近代化論のジャンセン,マルクス主義歴史学の遠山茂樹,国民的歴史小説家の司馬遼太郎の明治維新論を検討し,「近代化」の意味を考察する.

内容説明

明治維新はなぜ起きたのか。本書は維新をめぐる三つの謎―武士の社会的自殺、大きな原因の不在、復古による開化という矛盾―を探究し、歴史の激変を理解する枠組を提示する。また、近代化論のマリウス・B・ジャンセン、マルクス主義歴史学の遠山茂樹、国民的歴史小説家の司馬遼太郎の明治維新論の特徴を検討し、「近代化」の意味を東アジア史のなかで多角的に考察する。

目次

明治維新の謎―社会的激変の普遍的理解を求めて
第1部 愛国・革命・公議(ナショナリズムの生成―「内外」峻別、「忘れ得ぬ他者」の力学;革命理解の方法―「複雑系」による反省ネ維新史の鳥瞰;「王政・公議」体制の創出―横井小楠と大久保利通)
第2部 維新史家たち(マリウス・B.ジャンセン―日本の発見と比較研究;遠山茂樹―『明治維新』にみる戦後日本史学;司馬遼太郎―「国民史」の追求、「昭和」への嫌悪)
「近代化」再考―「東アジア的近世」論への応答

著者等紹介

三谷博[ミタニヒロシ]
1950年広島県に生まれる。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

54
細かい史実ではなく、明治維新を理論的に考察しようとした著者の論文を集めたもの。といっても、唯物史観を当て込んでいくといった演繹的なものではなく、カオスなどの自然科学の(執筆当時)新しい理論を参照しながら、帰納的に妥当性を探るという姿勢で、あの複雑な明治維新のプロセスをトータルに把握しようとする試みは、極めて面白かった。また途中ジャンセン(初めて知った興味深いアメリカ人史家)、遠山茂樹、司馬遼太郎の寸評、特に後ふたりに対する評価が、本論と絶妙な関係にあり、著者の立場を鮮明にしている。基礎知識が必要だが良書。2021/05/24

よう

5
図書館本。2020/11/05

politics

2
明治維新を中心とした論文集で、複雑系を介した維新観はやや難しかったが、そのほかは極めて興味深い内容だった。特にナショナリズムの生成に関する箇所では、アンダーソンやゲルナーらナショナリズムの古典的理論とは別の方法からソリ下げられており面白く感じた。また横井小楠、大久保利通の二人を「公議」を中心として論じていた部分では一般的に相容れないような二人の人物にも共通性があったのかということを知れたのは良かった。三人の維新史家の評伝もそれぞれの人物の特徴を上手く掴めるような内容だった。2019/04/09

Happy Like a Honeybee

1
明治維新はなぜ平穏に成し遂げられたか。 京都の禁中と江戸の公儀の二本立てであったが、大きな混乱なしに一本化された点が、世界史の歴史上留意すべき点ではなかろうか。 権威と権力を一元化。外圧があったからこそ?2014/03/30

Yuichi Saito

0
★★★2015/12/15

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