岩波現代文庫
竹内好―ある方法の伝記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 275,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006002411
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0110

内容説明

竹内好(一九一〇‐七七)の著作はなぜ今なお新鮮で読む者を魅了するのか。自分のくらしの中で魯迅を読むことをとおして自分の問題をみつけ、自分で解こうと努力することを生涯にわたってつづけた竹内に対し、深い尊敬と共感をもって書きあげた渾身の知的評伝。補論として「戦中思想再考―竹内好を手がかりとして」を併録。

目次

道徳の根拠はどこに
長野県臼田町‐東京
善にはむくいなし
となりの国では
北京で
留学
中華民国万歳と大日本帝国万歳
中国文学研究会
「大東亜戦争と吾等の決意」
魯迅の墓〔ほか〕

著者等紹介

鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922年、東京生まれ。42年ハーバード大学哲学科卒業。46年『思想の科学』創刊を主導し、以来アカデミズムの枠にとらわれず、大衆文化への独自の目配りをもって日本人の思考様式の非合理性を批判し続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kokada_jnet

32
客観的な伝記のように書いてあるけれど。著者と竹内好は、思想の科学研究会を通じた、親しい交流があったはずなのに。そこに一切、言及していないのが、物足りない。逆に、竹内の側が鶴見俊輔をどう思っていたか、とか知りたい。2019/12/30

ステビア

25
生活者として、自らの過誤を認めて掙扎(そうさつ、身もだえ)すること2022/04/10

Bartleby

9
竹内好の思想や方法のあり方が「挿扎(具体的な状況のなかでのもがきや抵抗)」や「疑疑亦信也(疑いつつも疑っている自分も疑うこと)」という言葉で説明されている。この思想や概念は、具体的なエピソードで示されるか、自分で実践してみないことには理解しにくいものかもしれない。でもそういう思想だからこそ、「正しさ」を主張することに躊躇してしまいがちな自分にとってとても魅力的なものに感じた。2012/07/09

ぺおる

3
序盤はあっさりした通常の伝記風味だったが「大東亜戦争」あたりから色々と興味を惹かれる部分が多い印象なのは竹内の思想家としての円熟・契機がやはりそこにあるからなのか。17章にもあったが、「自分をとりまく情況からはじめて考える」思想というのが彼が今なお強い輝きを持っている所以か。定期的に読み返したい。2020/08/30

Ikkoku-Kan Is Forever..!!

2
竹内好を一つの問題として捉えるなら、本書収録の「戦中思想再考」の鶴見俊輔の言葉がその解答への最善のアポローチだと思う。「同じように私たちは、竹内好の過失から学びたい、そういうふうに思うんです。それが今日の問題の立て方なんです。誤解を恐れずに言えば、大東亜戦争をよく戦ったものとして、竹内好は私にとっては教師、並びに反面教師、そういう側面をもつ人です。」知識人の大東亜戦争の闘い方について考えてみたい。その場合、竹内好の近代主義批判とは何か。その批判されるべき近代とは何か、またそれしか方途はないのかという問い。2013/01/05

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