内容説明
民衆思想史の草分けとなった著者の記念碑的代表作。大学紛争が全国的に展開され、近代の価値が厳しく問われていた時代にあって、大きな共感をよんだ、戦後歴史学、戦後思想史の名著である。テクストは全集に収録されている「新編」ではなく一九六八年刊行の「増補版明治精神史」(全二巻)。
目次
第2部 国家進路の模索の時代(新日本の進路をもとめて―徳富蘇峰の描いた未来像;“三酔人の経綸問答”―中江兆民の模索;明治二十年代の思想・文化―西欧派と国粋派の構想;明治三十年代の思想・文化―明治精神史の断層;天皇制イデオローグとの対決―内村鑑三の日本批判;明治人の可能性を示すもの―一民権家のその後の思想)
第3部 方法論的序説(歴史家の宿命について―歴史叙述と文学;明治文化史の構想について―“書評”の形をかりて;思想史と精神史について―“あとがき”にかえて)
第4部 問題の所在(明治精神史の方法と課題―初版への批判にこたえて;天皇制イデオロギーと民衆意識(序説)
蘇峰思想体系の三要素―資料「将来之日本」の分析
近代思想の矛盾構造―資料「分析=評価基軸」)
著者等紹介
色川大吉[イロカワダイキチ]
1925年千葉県生まれ。東京大学文学部国史科卒。東京経済大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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