岩波現代文庫
なぜ戦争観は衝突するか―日本とアメリカ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 358,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001742
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0120

内容説明

パール・ハーバーと広島、長崎。戦後六〇年を経過しても過去の戦争の記憶が両国で大きく隔たるのはなぜか。戦争観とは戦争のいかなる記憶によって形成されてきたのか。ナショナリズムの特質、戦後の幾多の戦争に対する反応の差にも着目し、記憶研究の最新の到達点も踏まえて省察したユニークな日米比較。『日本・戦争観の相剋』を大幅に改訂し、新稿を加えた決定版。

目次

プロローグ 戦争の記憶と日米関係
第1章 日米開戦の心理的前提
第2章 米国にとって第二次世界大戦―「よい戦争」観の形成
第3章 日本の敗戦と戦争観の転換
第4章 ベトナム戦争と敗戦の記憶
第5章 日米戦後五〇年と記憶の相剋
第6章 九・一一と「対テロ戦争」下の日米ギャップ
エピローグ

著者等紹介

油井大三郎[ユイダイザブロウ]
1945年生まれ。東京女子大学教授。東京大学名誉教授。専攻=歴史学(アメリカ現代史・世界現代史)。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。明治大学講師、一橋大学・東京大学教授を経て、2006年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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無識者

13
日米それぞれの戦争体験(若しくはイメージ?)がその後の世論形成に大きくかかわる。日本の場合はアジア太平洋戦争で厭戦的土壌が作られる。アメリカは第二次世界大戦で軍事力の行使は利益を得る手段という認識がでて、中国で革命が起きるとさらに拍車がかかる。しかしベトナム戦争を経て依然として戦争は一つの手段と認識されながらも泥沼化は避けるべきだという認識が表に出る。私の小学生までの戦争観をいうと、「日本はアメリカに負けた」という話は聞いてきたが、あまり対中国との戦争で負けたという話は聞かなかったし印象もなかった。2017/02/24

Yobata

6
大学ゼミ合宿の際の教本。アメリカ史研究の第一人者・油井教授の日本とアメリカの戦争に対する史観の違いを二次大戦前後から9.11の対テロ戦争までを振り返り考察する本。戦争観の形成を通史で語られるものだけでなく、ナショナリズムの特質,戦後の対応の差にも着目している。日本の不戦決議論争や平和祈念館論争における第二次世界大戦観の溝が、アメリカの“よい戦争”目線と、日本の“戦争はもうこりごり”目線の違いを生み、朝鮮戦争やベトナム戦争,湾岸戦争などの受け止め方の差が出ている。→2008/11/21

ひまわり

0
20111229

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