岩波現代文庫
鎖国と開国

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001605
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0121

内容説明

銀の飛躍的な生産量の拡大が、十五~六世紀の激動する地球的世界に、近世日本を押し出した―。この事実を導入として、小農民・職人の自立的活動、幕藩体制の成立と対外政策を、世界の動きとの関わりでとらえ、鎖国の始まりから幕末開港にいたる道程を説き明かす。史料を縦横に交え、柔らかい口調で語る全七講の江戸時代論。

目次

第1講 「鎖国」―地球的世界の形成と近世日本の対応
第2講 近世の武家政権と伝統的権威
第3講 支配組織と再生産構造
第4講 幕藩体制下の政治史
第5講 思想と文化の特質と展開
第6講 幕藩制社会の変質
第7講 開国―近代日本への道程

著者等紹介

山口啓二[ヤマグチケイジ]
1920年、東京生まれ。44年、東京大学国史学科卒業。東京大学史料編纂所教授をへて、79‐83年、名古屋大学文学部教授。日本近世史料への深い造詣を背景とした問題提起で学界の新たな研究動向を引き出すとともに、後進の研究者育成にも努める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かんがく

8
タイトルの鎖国と開国を軸に、政治・経済・思想・文化・外交と一冊の中に江戸時代史の概略がしっかりまとまっている。もう一度じっくり読みたい。巻末の解説も面白かった。2018/09/22

Mentyu

3
大学院生の読書会で使用。史的唯物論と実証主義の合わせ技で日本近世史を俯瞰する内容。石母田正を代表とする戦後日本史学の王道を行く一冊と言っていいだろう。近世日本の社会情勢を大航海時代以降の世界経済の中に位置付け、さらに国内経済と社会情勢の変革についても具体例を挙げながら丁寧に分析している。巻末解説にも書いてあるように、日本近世史を一通り把握したいという読者にとっては最適の本と言えるだろう。2019/06/05

ヨウイチ

2
鎖国の開始から開国までの経緯を、江戸時代の政治的、文化的背景から述べられた作品。200年以上にわたる江戸時代を通じて文化的に発展する中で、制度を時代に合わせて作ることの困難さを感じた。時代の変革は、トップダウンではなく、国民的力量を土台とするボトムアップによりなされるものなのかもしれない。世界的な時代の変革期にある中で、我々は力量を付けていかないと、大きな潮流に飲み込まれかねない。そのためには「教育」は大事なのだと、子を持つ親として再認識。2019/07/28

蒼吉@読メ再開しました

1
読んだぁ!!…とは言っても、ほぼ流し読みである。課題の図書として選択したけれど、好みのジャンルではないので、進まない。面白いと言ったら、面白い。ただ、専門的な用語や日本史のめっちゃ詳しいバージョンなため、日本史を面白いと感じなければ無理な気もする。しかしながら、時代背景や時代の流れがいまいちわかっていなくて、読むのには苦労した。2012/07/30

cuttercourier

0
「1980年代までの戦後歴史学の成果が本書に集約されている」(荒野泰典による「解説」)。大学初年程度から読めるコンパクトな日本近世通史。門外漢にもとっつきやすい。ここから始めて関心のある分野について最近の研究動向をフォローすればよさげ。2012/01/24

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